清炸大腸│山東風豚モツ揚げ

難易度:☆ 調理時間:30分以内
山東料理から『清炸大腸│山東風豚モツ揚げ』のレシピを紹介します。豚モツに白ネギを挿し込んでから揚げるという風味豊かな料理です。台湾の熱炒店でも類似の料理が食べられます。

山東地方の名店「濟南館子」に伝わる伝統料理で、料理名は調理方法から名付けられています。中にネギを通さずに作ると『乾炸大腸』という別の料理となります。 「乾炸」は山東料理特有の調理法の一つで、醤油を塗った食材を揚げて「ナツメ色」に仕上げる点に特徴があります。

さて、山東省といえば孔子。いまや世界的に有名な哲学者孔子は紀元前5世紀に山東省で生まれました。当初の思想は「身分制度の確立」と「仁道政治」の二本の柱を元に展開されました。これが後に弟子らによって整理され、「儒教」として確立していきます。その思想は古くから西洋にも伝わり、孔子の名は「Confucius(ケンフューシェスのように発音します)」のようにラテン語化されました。西洋諸国ではどの地方でもほぼこの表記そのまま(言語によってCがKになったりしますが)で孔子を意味します。

老子と並ぶ二大哲学者とされることも多いので、老子と同じようなヒゲを蓄えたニコニコおじいさんのようなイメージがありますが、生前官位を持っていた頃は隣国への武力進行を提案したり、ライバルを暗殺したりとかなりの武闘派です。孔子の思想を学ぶときは周から続く魯国の歴史や政治・国際状況もあわせて覚えておきましょう。

儒教の思想は数千年の長きに渡って中国封建主義の基礎として受け継がれました。主に個人の精神のありかたを定める仏教と異なり、儒教は団体や社会のあり方について厳格に定めています。これにより中国全土で儒教と仏教は対立することなく共存・融合することができました。途中秦の始皇帝による焚書坑儒、毛沢東による文化大革命などにより儒教は大打撃を受けますが、現在までその教えを保っています。

孔子の有名な弟子に性善説の孟子と性悪説の荀子がいます。孔子を師に持つ二人の弟子がこれほどまでに対立した仮説を唱えていることからも分かるように、人間とは元来矛盾をもった非常に相対的な生き物です。どんな人も見方を変えれば善にも悪にもなるのだということを忘れずに。それはもちろん孔子自身についてもそうなのです。


[材料]
豚モツ ……… 300g
ネギ(白い部分だけ使う) ……… 100g
ニンニク ……… 4個

[調味料]
醤油 ……… 大さじ1
塩 ……… 小さじ1/4
山椒粉 ……… 適量
テンメンジャン ……… 適量

[作り方]
1.豚モツを塩で揉んでぬめりを取ったあとよく洗い、沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜いておく。アクを抜いた豚モツに両端から少しネギが出るまでネギの白い部分を指しこみ、表面に醤油を塗っておく。

2.鍋に揚げ物油を入れて170度に熱し、作り方1の豚モツを入れて表面がきつね色になるまで揚げて火を通す。豚モツに火が通ったらネギを抜き、厚さ1cmほどに切って器に並べる。

3.みじん切りにしたニンニクと山椒粉、テンメンジャンを添えて完成。

Point!
ネギはかなり油を吸っているので通常は食用にしませんが、薄切りにして豚モツに添えてもよいでしょう。普通はキュウリのうす切りなどさっぱりした野菜を添えます。

レストランなどでは油の温度を150度の時に豚モツを投入し、加熱して油の温度を180度まで上げながら火を通します。温度管理がシビアですが、この作り方なら豚モツの外側がパリッと作れます。油の温度を見極めるスキルのある方は挑戦してみてください。なお揚げて火を通す時間は短ければ短いほど良しとされます。

みじん切りにしたニンニクとテンメンジャンを混ぜ合わせたものは『老虎醤』と呼ばれる特殊な調味料となります。油っこいものと相性の良いソースなので他の料理にも応用してください。


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