Ikan Bilis│マレー風煮干

難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
昨日紹介した『Nasi Lemak』のつけあわせとして最も有名なのがこの『Ikan Bilis│マレー風煮干』でしょう。ココナッツミルクを使っているのでもちろんエスニックな味付けなのですが、煮干の旨みがどこか日本人にも懐かしい料理です。

『Ikan Bilis』とはいわゆるカタクチイワシの煮干、アンチョビのことです。マレーシアやシンガポールにすむマレー系の家庭ではご飯の付け合せに欠かせないおかずで、韓国で言うキムチのような存在だと言います。

さてマレーシアと一口に言っても、その民族構成は非常に複雑です。現在マレーシアとされる地域は過去多くの王国(スルターンによる首長国)が林立し、またいくつかの港湾都市は大航海時代のヨーロッパ各国の統治を受けていました。その後日本やイギリスの統治を受けて後、近隣諸国と合併、一悶着あってシンガポールを追放し、現在に到ります。このためマレーシアにはマレー系、中華系、インド系、タイ系、白人系と様々な民族がおり、アジアでも有数の多民族国家です。また世界的にも非常に珍しい「選挙によって国王が決まる」立憲君主制の国家でもあります。

マレー系住民と華僑の対立によりシンガポールが追放される形で独立した例からも分かるように、民族間の対立は結構深刻で、お互いほとんど交流がありません。相互に結婚する例はほぼなく、居住地域もほぼきれいに分かれています。民族ごとに宗教がまったく異なるため、婚姻や親しい友達づきあいには家族やコミュニティの反対を押し切るとてつもない勇気が必要だそうです。

それでも中華系とマレー系住民の混血は他の組み合わせよりも多く、少数ですが中華系コミュニティに存在しています。華僑でありながらマレーシアの文化に取り込まれた人々をプラナカンとよび、男性をBaba、女性をNonyaと呼びます。特に中国の文化背景を持ちながらマレーシアの家庭で家事を担うことになったNonyaの料理は独特の料理文化といえ多くの珍しい料理があります。

日本の『天津飯』や『麻婆茄子』、台湾の『五更腸旺』のような感覚の料理だと考えていただければよいでしょうか。このNonya料理も、今回の「日本で作れる東南アジア料理」シリーズ中にいくつか紹介したいと思います。

この『Ikan Bilis』、きちんと作ると恐ろしい旨味の最高のおかず料理となります。ぜひお試しください。


[材料]
煮干(カタクチイワシ) ……… 300g
トウガラシ ……… 5本
エシャロット ……… 5個
ニンニク ……… 3個
ココナッツミルク ……… 200cc

[調味料]
サワークリーム ……… 小さじ1/4
水 ……… 30g
砂糖 ……… 小さじ2
塩 ……… 小さじ1

[作り方]
1.鍋に揚げ物油を140度ほどに熱し、煮干をきつね色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切っておく。

2.トウガラシ、エシャロット、ニンニク、サワークリーム、水をミキサーにかけて粉砕し混ぜ合わせておく。グランドペーストの完成。

3.熱したフライパンに大さじ3のサラダ油をひき、作り方2のグランドペーストを入れて軽く炒めて香りを出す。これにココナッツミルク、砂糖、塩を加えて味を調えたら、作り方1の煮干を入れて水気がなくなるまで炒めたら完成。

Point!
前回作った『Nasi Lemak』に添えて食べましょう。これだけを普通のご飯のおかずにしてもおいしいです。

サワークリームと水の組み合わせの部分は、本来「タマリンドジュース」と呼ばれるものを使って作ります。日本では大手の輸入食品店に行かなければ手に入らないと思いますので、サワークリームで代用してください。


ピーナッツやカシューナッツなどのナッツ類との相性も最高です。


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