萬壽羹│湖北風万寿スープ

難易度: 調理時間:3時間
今回は湖北の伝統料理から。すばらしい名前の『萬壽羹│湖北風万寿スープ』という料理のレシピを紹介します。万寿、即ち鶴と亀を材料(のモチーフ?)にして作る吉祥の料理です。もちろん現代では鶴肉は世界中どこを探してもまず手に入らないので鶏肉で代用します。亀肉はスッポン肉が手に入りやすいので、日本でも再現可能です。お年寄りの誕生パーティーなどで作ってみてはいかがでしょうか?

この料理は『鶴龜延年湯』、『萬壽吉祥羹』などとも呼ばれます。

湖北料理は別名を鄂(e4)菜といい、そのまま湖北省の料理を指します。実は中華料理には良く知られた八大菜系とは別に十大菜系と呼ばれる分類もあり、湖北料理はこの十大菜系の一つに数えられています。湖北料理の下位分類には武漢菜、荊沙菜、黃州菜、襄鄖菜があり、春秋戦国時代にあった「楚」の王宮料理を受け継いでいることに特徴があります。

日本ではほとんど食べられない中華料理なので、湖北料理の名前を知っている人は稀でしょう。しかし現在杭州名物として知られる『東坡肉』は、もともと湖北料理として生まれたのはご存知でしょうか?

一般的には浙江料理の名物とされる『東坡肉』ですが、実はこの料理、もともとは湖北の黄州で生まれた『紅燒肉』という料理が元になっています。『東坡肉』を生み出した蘇軾は最初に左遷された先の黄州で名物の豚肉を醤油で煮込んだ『紅燒肉』という煮込み料理を考案しました。その後更に左遷された先の杭州で住民らから送られた豚肉と紹興酒で作った『紅燒肉』が後に『東坡肉』と呼ばれるようになり現在に伝わりました。もともとの湖北の『紅燒肉』も今では『(湖北)東坡肉』と呼ばれて湖北料理の店で食べることができます。

湖北料理は特に水産物の加工に定評があり、古い時代の宮廷料理の風格を残していることから、宴席料理として根強い人気があります。残念ながら台湾には一軒も湖北料理のレストランがないため、筆者も自分で作ったものしか食べたことがありません…。湖北料理は大体パーティー向けで、多人数で食べるのに向いているので、再現時はぜひ皆で集まってご賞味ください。



[材料]
鶏肉 ……… 1匹分(約2000g)
亀肉 ……… 1匹分(約750g)
ショウガ ……… 25g
ネギ ……… 50g
熱水 ……… 2000cc

[調味料]
ラード ……… 50g
塩 ……… 小さじ1/2

[作り方]
1.鶏肉を4cm角のさいの目に切り分け、よく水分をふき取っておく。亀肉はよく洗い、一度湯通しして臭みを抜いた後食べやすい大きさに切っておく。ネギをぶつ切りにする。ショウガをうす切りにする。

2.熱した鍋にラードを入れて溶かし、ネギとショウガを炒めて香りを出す。続いて鶏肉と亀肉を加えて水気がなくなるまで手早く炒める。塩を加えて味を調えたら材料をすべて土鍋に入れる。

3.材料を入れた土鍋に沸騰したお湯を注ぎ、すぐに蓋をする。土鍋をスープが白濁するまで強火で熱し、その後火を止めて常温に冷めるまで静置する。スープが冷めたら再び沸騰するまで加熱して完成。

Point!
スープには臭みを抜きしたカメの甲羅も入れてしまいましょう。大量のゼラチンが溶け出してスープにとろみと旨みが加わります。

亀肉が手に入らない場合は甲羅(生薬名を亀板といいます)だけ漢方薬局で購入してスープに加えてください。

非常に栄養価値が高いスープなので、残さず飲みきりましょう。


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