炸淮山夾│ヤマイモの網脂包み揚げ

難易度: 調理時間:1時間以内
福建省の名物料理『炸淮山夾│ヤマイモの網脂包み揚げ』のレシピを紹介します。フランス料理で頻用される網脂(クレピーヌ)という牛の内臓の周りにある網状の脂を使います。

この料理で使う網脂は中国語で「網油」と書かれます。もともとフランス料理でよく使われる食材で、網脂時代はフランス語で「crépine(クレピーヌ)」、これを使って包むこと、また包んで作る料理を「Crépinette(クレピネッテ、クレピネットとも)」といいます。もともと中華料理では使わない部位なのですが、近年の文化交流を受け様々な料理に利用されるようになりました。今回紹介する『炸淮山夾』もそんなクレピーヌを利用した料理です。

料理名にある「淮山(わいさん)」 とはいわゆるヤマイモ、つまり山薬の別名で、特に淮河(わいが)流域で栽培され収穫されたものを指して言います。中国医学でも「山薬」の別名として使われます。

中国では山薬も淮山もナガイモ Dioscorea batatas の根茎を乾燥させたものを指すのですが、ややこしいことに日本では(いつもではないですが)山薬はヤマノイモ D. japonica 、淮山はナガイモと使い分けることがあります。見た目も使い方もほとんど同じで通常はまったく区別する必要がないのですが、時々プロ中のプロから基原植物まで指定した細かい注文が入ることがあるので甘口男としては要注意です(笑)。

今回紹介する『炸淮山夾』はもちろんヤマイモを使って作ります。網脂が手に入らない場合はそのままコロッケにしたり、湯葉や海苔で包んで揚げても美味です。エビすり身とヤマイモのハーモニーをお楽しみください。


写真は湯葉で包んで揚げたもの。
こちらの方が簡単に作れます。

[材料]
ヤマイモ ……… 600g
エビ ……… 100g
網脂(クレピーヌ) ………300g
ネギ ……… 1本
ショウガ ……… 5g
卵 ……… 1個
片栗粉 ……… 適量

[調味料]

味の素 ……… 少々
塩 ……… 少々

[作り方]
1.ヤマイモの皮を剥いてよく洗い、5cm×2cm×3cmの長方形に切り分ける。ショウガはすりおろしておく。ネギは細かくみじん切りにする。卵を卵白と卵黄に分け、それぞれ溶いておく。

2.エビの身をよく洗って殻を剥き、みじん切りにして水分をよくふき取っておく。これに塩、味の素、卵白、作り方1ですりおろしたショウガ汁、みじん切りにしたネギを加えよく混ぜ合わせておく。

3.網脂を10cm×7cmに切り、片面に卵黄を塗る。この上に作り方2のエビのすり身を薄く延ばし、更にその上に作り方1のヤマイモを乗せる。網脂をたたみこむようにしてヤマイモの上で閉じ、閉じた面を下にして耐熱容器に乗せる。

4.作り方3の網脂で包んだヤマイモを蒸し器にかけ、中火で20分蒸す。火が通ったら取り出して片栗粉をまぶし、140度に熱した揚げ物油で両面がきつね色になるまで3分ほど揚げる。取り出して油を切ったら器に盛りつけて完成。

Point!
網脂はしっかりと下処理をしておけばまったく臭みがなく脂のうま味のみを楽しめます。購入した網脂は水に晒して汚れを落としたあと、牛乳に浸けて冷蔵庫で一晩冷やしておきます。これを再び水で洗ってから使うと見事に臭みが抜けます。


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