潤餅(皮)│潤餅(皮)

難易度:☆ 調理時間:2時間
本日2015年4月5日は清明節です。『潤餅(皮)│潤餅(皮)』のレシピを紹介します。

『潤餅』は『春捲│春巻き』に似た料理ですがその歴史は『春捲』よりも長く、一説によると春秋戦国時代にまで遡れると言います。戦国時代の北部の国家では春の祭祀時に『五辛盤(潤餅の原型)』という料理を食べる習慣がありました。『五辛盤(潤餅の原型)』とはネギ、ニンニク、ニラ、香菜、カブの五つの辛野菜を穀物で作った生地に包んで食べる料理で、五臓を開いて伏氣を去り、新しい気持ちで春を迎える目的で食べられていました。『五辛盤』は『春餅』とも呼ばれこれが『潤餅』と『春捲』の原型になったといわれています。

東晋の時代に戦火を避けるため中原の人々が退去して南部に押し寄せました。この時に北部からもたらされた『春餅』が現在福建、台湾地方で食べられている『潤餅』になるのです。

さらに伝説によると『潤餅』が現在の形になったのは明の時代1600年頃、福建省同安(生まれは金門県)の蔡復一という人の夫人が発明したある「妙案」が元になっていると言われています。蔡復一は独眼破足の障害を持っていましたが、科挙に合格し後に貴州、雲南、湖北、湖南、広西の五省に渡って総督の任についた才人です。彼はある日障害のため要らぬ嫉妬を受けては、49日以内に皇帝に献上する九箱の歴史文章を整理しなければならないという無理難題を与えられてしまいます。

彼は寝食を忘れて仕事に没頭しますが、常に字を書き続けないといけないため特に食事を取る暇がありませんでした。彼の妻は夫のため現在の『潤餅』に近い料理(『薄餅』)を考案し、彼女はそれを夫の口に運んで食べさせる方法で夫の食事を解決しました。

蔡復一は見事この難題をやり遂げ、それを支えた夫人の考案した『薄餅』は美談と共に後世に語り継がれることになります。

今回は皮のみのレシピです。古代の『五辛盤』を再現してみるよし、海苔巻きの海苔の代わりに使うもよし、好きなものを巻いて食べましょう。



[材料]
中力粉 ……… 600g
水 ……… 480cc
塩 ……… 3g

[作り方]
1.ボウルにすべての材料を入れ、均一になるまでよく混ぜ合わせたらラップをして15分寝かせておく。

2.作り方1のボウルの中身を再びよく混ぜ合わせたら、もう一度ラップをして15分寝かせておく。

3.もう一度ボウルの中身をよく混ぜ合わせたら、ラップをして1時間寝かせておく(→Point参照)。生地の完成。

4.フライパンに薄く油をひき、弱火で予熱しておく。調理者の利き手をよく洗い、作り方3の生地に浸けてたっぷりと生地を掴みとる。火傷しない様に注意して手を使ってフライパンに生地を薄く広げたら、生地の周囲が浮いてくるまで数十秒加熱し、全体に火が通ったらもう一方の手で生地を剥ぎ取る。

5.作り方4の作業を繰り皮を作ったら完成。

Point!
素手で作るバージョンです。マニキュアをしていたり、爪が汚かったり、傷口があるような方は下の刷毛を使う方法で作りましょう。

生地は掴んだりしなくても手にまとわり付いてきます。これを手のひらを使ってフライパンに薄く広げるのですが、弱火とはいえフライパンに手を突っ込まないといけないので火傷に注意してください。

弱火とはいえ、直接フライパンに触れます。子供は絶対にこの調理法を行わないでください。

油は生地を焼くたびに塗りましょう。

この方法で作る『潤餅』を俗に「拭餅」と呼びます。


[材料]
強力粉 ……… 260g
水 ……… 500cc
塩 ……… 小さじ1/2
オリーブオイル ……… 大さじ2



[作り方]
1.ボウルに強力粉と塩をふるい入れ、水を2-3回に分けて加えながらダマにならないようよく混ぜ合わせる。

2.作り方1の全体がよく混ざったらオリーブオイルを加えて更によく混ぜ合わせ、最後にラップをして1時間おいておく。生地の完成。

3.弱火で予熱したフライパンにキッチンペーパーなどを使って油を薄く塗り、刷毛などを使って作り方2の生地を薄く塗り広げる。

4.数十秒焼いて生地の周辺が浮き上がったら菜箸などを使って生地を剥ぎ取る。作り方3の動作を繰り返して皮を作ったら完成。

Point!
最初のレシピより水気の多い生地で、刷毛を使って広げます。クレープを焼く機械があればフライパンを使うより楽に作れます。

油は生地を焼くたびに塗りましょう。


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