梅子蒸鴨│梅蒸し鴨

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難易度:☆☆ 調理時間:2時間
梅の香りと酸味が美味しい『梅子蒸鴨│梅蒸し鴨』という料理のレシピを紹介します。

中華料理で「鴨」と書けば「アヒル」を意味するのは以前にも紹介しました。カモを家禽にしたものがアヒルで、日本でも中国でも「鴨肉」と言えば一般的にはこの「アヒル肉」を使って調理します。猟師さんの知り合いがいる方は本物のカモ肉を使って作ってもいいかもしれません。銃弾を咬むと歯を痛めますので注意です(笑)。

アヒルをはじめとした家禽類をざっとおさらいしておきましょう。マガモを飼いならしたものがアヒル、ヤケイ(キジの仲間)を飼いならしたものがニワトリ、ガンを飼いならしたものがガチョウです。

ついでに家畜の起源も辿っておくと、イノシシを飼いならしたものがブタ、オーロックス(絶滅)を飼いならしたものがウシ、ターパン(絶滅)を家畜化したものがウマ、ヒツジの起源は分かっていませんがモウフロンというヒツジの先祖を家畜化したものだといわれています。野生動物の家畜化の歴史もなかなか面白いです。

というわけで梅干を使って酸味の利いた味に仕上げる『酸梅子蒸鴨│梅蒸し鴨』のレシピです。なかなか面白い料理ですので、良いカモ(アヒル)肉が手に入ったらお試しください。


棒棒雞│棒棒鶏

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
有名中華料理『棒棒雞│棒棒鶏』のレシピを紹介します。ゴマベースのソースをゆでた鶏肉に掛けるだけの簡単料理で、ソースから自作してしまいましょう。

料理名にある「棒」の字は、もともと鶏肉を木の棒で叩いてほぐしたことから付いています。もともとのレシピではきちんと包丁で切り分けていたそうなので、別の名前の料理だったのでしょう。現在では手で裂いて作られることもあるようです。

『棒棒雞』は四川料理の一つで、ほぐれた鶏肉にピリ辛のゴマソースがかかったもの、日本では辛くせずに作ることが多く、台湾でもあまり辛くない『棒棒雞』の方が一般的です。本格的なものは四川料理の店で食べられます。

日本でも多くの中華料理点で食べられますが、自作すれば好みのソースを作れるのが魅力です。配合を変えてオリジナルのソースに挑戦してみましょう。

千切りにしたキクラゲやキュウリを添えれば一気に和風になりますし、それを麺の上に乗せれば冷やし中華にも早代わりです。色々と応用が利きますので、作り方を覚えておきましょう。




金華玉樹雞│金華ハムと鶏肉の蒸し物

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は『金華玉樹雞│金華ハムと鶏肉の蒸し物』というちょっとした高級料理のレシピを紹介します。金華ハムはベーコンで代用できるので、割と手軽に再現可能です。台湾でも家庭料理として作る場合はベーコンで代用することがあります。

出来上がりが広東風の『文昌鶏』に良く似ており、おそらく同じ系統の料理でしょう。『文昌鶏』は広州の、『金華玉樹雞』は香港料理とされます。

この料理で使われる金華ハム(金華火腿)は中国を代表するハムの一種で、イタリアのプロシュット・ディ・パルマ、スペインのハモン・セラーノと共に世界三大ハムの一つに数えられます。浙江省の金華地域で作られたものだけがこの名前を付けられ、断面が炎のように赤いことから金華“火”腿と名付けられました。古くは唐代から作られていた記録があり、明清の時代には宮廷に献上もされていました。

残念ながら金華ハムは日本には「加熱したもの」しか輸入が認められていないため、台湾で売られているような生の金華ハムを手に入れるのは至難の技かと思われます。台湾では普通に売っていますが、買って日本に持ち込むのも違法となり税関で没収されます。お気をつけ下さい。中国の衛生事情が改善されれば、日本でも生の金華ハムが手に入る日が来るかもしれませんね。というわけで、ベーコンで代用しましょう。

見た目も美しいですが、本当に美味い料理です。ぜひ再現してみてください。



紅油雞塊│鶏肉の紅油かけ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『紅油雞塊│鶏肉の紅油かけ』のレシピを紹介します。『口水鶏』とも似たレシピですが、こちらの方が簡単に作れます。

この料理で使う紅油は各種の香辛料とトウガラシを油で加熱して漬け込んだ調味料で、日本でいう「ラー油」が近いものでしょう。メーカーによっては様々な調味料を混ぜ合わせたラー油が市販されています。「紅油」とほとんど区別の付かないものもたくさんあるので、レシピではラー油を使っています。

さて、おいしいラー油を食べたいという方は、スーパーの香辛料コーナーで手に入るラー油の成分表を見てみましょう。 「着色料」が使われているものは残念ながらほぼ模造品です。偽物ではないですが、本物のラー油に味と形を似せて作ったまがい物の可能性大です。ちょっとした料理の調味料として使うにはいいでしょうが、ラー油の味が料理のできを左右するような料理には使わない方が無難です。きちんと作ったラー油はトウガラシや八角から赤色が抽出されているはずなので、鮮やかな赤い色をしているはずですが、一定の品質のものを工業生産するために着色料が加えられています。日本では一時期ブームになり需要が急激に高まったため、ある程度は仕方のない部分もありますが、そういうときこそ消費者がしっかりしましょう。

ちゃんとしたラー油は大体そこのほうに具が溜まっており、着色料が使われていません。多少値は張ると思いますが、日本ではそれほど大量に使うものではないので出来るだけ質のいいものを使いたいものです。

台湾や中国の「紅油」も同じことが言えます。特に中国のスーパーで買える安い紅油は、食べなれない人が一口食べれば「あ、体に悪い」と直感で感じてしまうほど(笑)。この手の調味料はなるべくいいものを使いましょう。


銀耳鵪鶉蛋│キクラゲとウズラ卵のスープ

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難易度:☆ 調理時間:3時間
通常レシピのほうで“鳥”肉シリーズが続いているので、薬膳のレシピも“鳥”肉にちなんだものを紹介したいと思います。本日の薬膳料理は『銀耳鵪鶉蛋│キクラゲとウズラ卵のスープ』という清朝の王宮で皇后らに飲まれていたスープです。

キクラゲは人工栽培方法が確立されるまでは非常に高価な食材で、特に高級品とされた白キクラゲは古くは不老長寿の薬とされ、王朝時代の中国では金持ちと宮廷中の人くらいしか食べることができませんでした。

白キクラゲは中国語で「銀耳」、「白木耳」、「雪耳」などと呼び、どれもその白さを強調した名前となっております。特にその美しさを称えて「最上の菌」などと呼ばれることも。免疫機能の増強効果があり、放射線療法や化学療法などの治療中の患者に副作用低減のための食事療法のメニューとしても供されることがあります。

他にも動脈硬化、高血圧、慢性腎炎などにも効果があるとされるます。薬用効果は高いのですがこれらの疾病には効果が出るには時間がかかるため、続けてとる必要があるそうです。

ウズラの卵もその手軽さと栄養価値の高さから薬膳料理に常用される食材の一つで、特にキクラゲと組み合わせて各種の老年病に使われます。中国医学では出産後に胎盤が降りてこない時などにウズラの卵と高麗人参を組み合わせて使ったりします。

この『銀耳鵪鶉蛋』は手軽に作れて見た目も美しい薬膳料理です。日本のスーパーにある食材だけで手軽に作れるので、ぜひお試しください。

炒鴿鬆│鳩肉そぼろ

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難易度: 調理時間:30分以内
“鳥”肉シリーズが続いておりますが、深い意味はありません。本日は『炒鴿鬆│鳩肉そぼろ』のレシピです。日本ではハト肉がほとんど手に入らないため、鶏肉などで代用してください。台湾では市場で食用のハト肉が時々手に入ります。

『乳鴿鬆』、『鴿鬆生菜包』など呼ばれることもある料理で、台湾でも香港料理のレストランで食べられます。エビで作る『生菜蝦鬆』ともよく似ています。

日本ではハトはほとんど食用にされませんが、中国やヨーロッパ、中東では結構メジャーな食材です。日本のように雑食で野生のものを使うわけではなく、ハーブや専用のエサで食用に飼育されたものを使います。野生ハト特有の臭みや変な固さもありません。台湾では宴席料理にハト肉が使われることがあり、鶏肉よりも高値で売られています。

中国語でハトは「鴿」と書き、「鳩」の字はほとんど使われません。食用には普通若いハト肉が使われるので、特に食材としてハト肉を指す場合は「乳鴿」とかく場合もあります。年取ったハトは「老鴿」と呼び、こちらやスープや中医学で薬として用いることがあります。

日本では通販などで冷凍のものを手に入れる必要がありますので、レシピ通り作るのは現実的ではないですが、鶏肉などで代用すればとてもおいしい肉そぼろが作れます。お弁当のおかずにも最適、子供から大人まで楽しめると思います。鶏肉で作れば☆1つほどの難易度になりますので、ぜひ挑戦してみてください。


燕窩湯│燕の巣ジュース

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難易度: 調理時間:30分以内
薬膳料理『燕窩湯│燕の巣ジュース』です。

中国三大珍味の一つ「燕の巣」、皆さんも一度くらいは聞いたことがあることでしょう。台湾でもお土産品として有名です。漢方薬局に行けばガラスケースに飾られていたりします。

燕の巣に関しては過去の記事で詳しく説明しているので、今回は取り上げません。ここでは燕の巣の栄養や薬効について解説したいと思います。

もともとうっすらと赤や黄の色が付いているのが普通で、市場で出回るような真っ白な燕の巣は多くが漂白処理がされたもの。雑物が少なく白いものは「官燕」と呼ばれ、かなり珍重されます。赤色が付いているものは「血燕」と呼ばれ、色が付くのは「巣を作るまで子供を埋めないので血を吐いてでも作り上げるため」という俗説がありますが、実際は岸壁に含まれる鉄分が雨などで溶け出して巣に浸み込み色が付いたものです。血燕は最高級品とされ非常に高価です。

主成分はムチンでクニクニとした独特の食感が特徴。IL-6やEGF、FGFなど多くのサイトカイン成分を含有し、特に女性の美容に効果があるといわれており、高価ながら非常に人気があります。

古くから薬用に用いられている薬物でもあります。《本草綱目拾遺》から記載を抜き出してみましょう。

燕窩
素燕窩 一名燕菜蔬。

從新云:出漳泉沿海處有之、乃燕銜小魚、春壘之窩中、人取之。
閩小記云:燕取小魚、粘之於石、久而成 窩、有烏、白、紅三色、烏色品最下、紅者最難得、能益小兒痘疹、白色能愈痰疾。
泉南雜志:閩之遠海近番處、有燕名金絲者、首尾似燕而甚小、毛如金絲、臨卵 育子時、群飛近沙汐泥有石處、啄蠶螺食之。蠶螺背上肉有兩筋、如楓蠶絲、堅潔而白、食之可補虛損、已痢癆症。此燕食之、肉化而筋不化、並津液嘔出、結為小窩、附石上、久之與小雛鼓翼而飛、海人依時拾之、故曰燕窩也。似此則形狀功用時候族類、俱有可信。
嶺南雜記:燕窩有數種、日本以為菜蔬供僧。此乃海燕食海邊蟲、蟲背有筋不化、複吐出而為窩、綴於海山石壁之上、土人攀援取之、春取者白、夏取者黃、秋冬不可取、取之則燕無所棲凍死、次年無窩矣。

(中略)

味甘淡平、大養肺陰、化痰止嗽、補而能清、為調理虛損勞瘵之聖藥。一切病之由於肺虛不能清肅下行者、用此皆可治之。開胃氣、已勞痢、益小兒痘疹、可入煎藥、或單煮汁服。

(中略)

老年痰喘 文堂集驗方:用秋白梨一個(去心)、入燕窩一錢(先用滾水泡)、再入冰糖一錢蒸熟、每日早晨服下、勿間斷、神效。 噤口痢。
救生苦海:白燕窩二錢、人參四分、水七分、隔湯頓熟、徐徐食之、立效。

(後略)

《本草綱目拾遺》は1765年、清の時代に書かれた書物です。現在と同じように赤いものを最上品としてたようですね。当時の日本の僧は燕の巣を野菜として食べていたようです。

後ろのほうにはまさに薬膳料理としか言いようのないレシピが記載されています。清肺の効能を持つナシと一緒に煮込んで毎朝飲めば、老人の痰や咳に神効があると書かれています。今回紹介する料理とも似ているので、ナシの季節になれば試して見ましょう。

材料を手に入れるのが難しいかもしれませんが、非常に美容効果が高いのでぜひ一度は試していただきたい薬膳料理です。

品質により重量あたりの価格が変わるので一概には言えませんが、30gで5000-7000円ほどします。

香酥鴨│台湾風鴨肉の唐揚げ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本日は『香酥鴨│鴨の唐揚げ』のレシピを紹介します。『香酥鶏』の人気にあやかって開発されたと言われる台湾料理といわれます。

発祥は台南とも苗栗とも言われておりいまいちはっきりしません。

鴨肉は鶏肉よりも栄養成分に富み、健康的であるとされています。鉄分は牛豚鶏の倍以上、ビタミンA含有量も鶏肉と同程度、全脂肪に占める不飽和脂肪酸の割合は魚類の中でも豊富だとされるイワシの3.8%を大幅に上回る5.6%と、なかなか栄養学的に優秀な肉となっています。

その栄養価値は中国でも古来より認められており、多くの本草書に鴨肉の記載があります。いくつか抜き出してみましょう。

《滇南本草》では「老鴨同豬蹄煮食、補氣而肥體。同雞煮食、治血暈頭痛。」と他の肉類と一緒に食べたときの効能が、《本草綱目》では「鴨、水禽也、治水利小便、宜用青頭雄鴨。治虛勞熱毒、宜用烏骨白鴨。」と利水の効能があることが、《本草匯言》では「滋陰除蒸、化虛痰、止咳嗽。」と咳止め痰きりの効能があることが書かれています。

また《日用本草》では「腸風下血人不可食。」、《隨息居飲食譜》では「多食滯氣、滑腸、凡為陽虛脾弱、外感未清、痞脹腳氣、便瀉、腸風皆忌之。」などとも、ガスでおなかが張ったり下痢をしたりしている人は食べるのを避けた方が良さそうです。

皮はパリパリ、身はふっくら、とても香ばしい鴨肉料理をお楽しみください。


荔枝飲│ライチジュース

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日の薬膳料理は夏らしくさっぱりとした飲み口の『荔枝飲│ライチジュース』です。ライチは先日紹介した楊貴妃(『貴妃痤瘡飲』)の愛した果物として知られます。

ライチはムクロジ科の植物で学名を Litchi chinensis といいます。漢字では「荔枝」と書き Li zhi と発音します。属名は中国語読みのラテン語表記です。日本語のライチは広東語、福建語、台湾語の発音が伝わったものです(どれもライチと発音します)。中国の広東省、広西省、海南省辺りが原産とされ、現在は福建省のものが有名で高級品。台湾でも栽培されています。古くは「離枝」と書かれました。
 
中国の薬膳の本にはビタミンA、B、Cを豊富に含むなどと書かれていることがあるのですが、実際にはビタミンAはまったく含まれていません。こと栄養に関しては薬膳関係の本はいい加減なことがあるので注意ですね。

冷蔵庫のない時代は保存が困難だったこともあり、中国では非常に珍重されました。「一日色變、二日香變、三日味變、四日色香味盡去」という格言があるほどで、収穫してからせいぜい2-3日以内に食べないと、すぐに痛んでしまうことを示しています。

楊貴妃が非常に好んだ果物としてしられ、ライチリキュールをベースにしたカクテルに、ずばり『楊貴妃』というものがあります。楊貴妃はライチの季節になると収穫したものをすぐに早馬に乗せて、嶺南から長安まで届けさせたという逸話が残っているほどです。嶺南の北端(広西省の北部)から長安まで1400kmほどですので、馬が平均時速10kmで日夜ぶっ通しで駆け続ければ5-6日ほど掛かる計算です。収穫が開始される3月なら気温はまだ低いので痛むのが遅いと仮定しても、楊貴妃は消費期限ギリギリのものが食べらたかどうかといったところでしょうか。もちろん皇帝の愛姫ということで木を掘り起こして枝に実をつけたまま運ぶなどの力技を使って新鮮なものを食べたのかもしれません。

ライチは生津の効能があり、夏ばてで喉が渇く、冷たいものばかり飲みたがるとうような状態には最適です。生で食べてもいいですが、こういったジュースにしてもおいしいですよ。

脆皮雞│広東風パリパリ皮鶏

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難易度:☆☆☆ 調理時間:半日
広州十大名鶏」から『脆皮雞│広東風パリパリ皮鶏』のレシピを紹介します。台湾でも同名のファストフードがたくさんあるのですが作り方が異なります。今回のレシピは広東風です。

広東、台湾以外にも四川や湖南に同名の料理があり、探せばその他の地域にも様々にアレンジされたものがありそうです。元祖は広東料理だそうで、「広州十大名鶏」に常にランクインする伝統料理です。

台湾ではKFCのように衣をつけて揚げるタイプの『脆皮雞』の方が優勢ですが、もちろん広東風の『脆皮雞』も広東料理店で食べられます。さすが台湾ですね!

さてこの料理は鶏肉の乾燥過程が必要なため、調理には非常に時間がかかります。麻下ごしらえをして夕方やっと食べられるくらいでしょうか。しかし出来上がりは絶品、超本格的な鶏肉料理が出来ますので、腕に覚えのある方はぜひ挑戦していただきたいと思います。

ただ食べたいという方は台湾か香港行きの飛行機に乗りましょう(笑)。



中薬学テキスト - 第二章 清熱薬 ‐ 第一節 清熱瀉火薬

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第1節    清熱瀉火薬
気の邪熱を排泄する作用を主とし、気実熱証に用いる薬物を清熱瀉火薬と呼びます。

清熱瀉火薬の薬性は“寒能清熱”の薬性理論に基づきほとんどが寒で、決明子、密蒙花、青葙子は微寒、穀精草のみが涼よりの平です。

大多数の薬物の薬味は甘ですが、梔子、夏枯草、青葙子の薬味は苦です。このほかにも石膏は解肌退熱、夏枯草は散結の効能から辛味、知母、天花粉、鴨跖草、決明子は排熱の効能から苦の薬味を併せ持ちます。また竹葉、淡竹葉は通利小便の効能から淡味も持ちます。また寒水石の薬味は通常辛、鹹とされます。穀精草は甘の薬味を持ちます。

清熱瀉火薬はそれぞれ異なる作用部位を持ち、帰経は多岐にわたります。肺熱、胃熱、心火、肝火などが引き起こすそれぞれの臓腑の火熱証ごとに薬物の帰経が異なります。石膏、知母、蘆根、天花粉、鴨跖草、梔子は肺胃気の邪熱を清めるので肺、胃経に属します。夏枯草、決明子、密蒙花、青葙子は清肝明目の効能があり肝経に属します。竹葉、淡竹葉は清心排熱、除煩止渇、滲湿利尿の効能があり、心、胃、小腸経に属します。この他、知母は滋腎陰、潤腎燥、退骨蒸の効能から腎経にも、鴨跖草は利水消腫の効能から膀胱経にも、梔子は清心、肝、肺、胃、三焦の熱を除くことから心、肝、三焦経にも、夏枯草は清肝胆火の効能から胆経にも、決明子は益腎陰、潤腸通便の効能から腎、大腸経にも属します。寒水石は心、胃、腎経に属します。穀精草は肝、胃経に属します。

以上をまとめると下の表のようになります。

薬物
薬性
薬味
帰経
小腸
その他
石膏
甘、辛




寒水石
辛、鹹



知母
甘、苦



蘆根




天花粉
甘、苦




竹葉
甘、淡


淡竹葉
甘、淡



鴨跖草
甘、苦



膀胱
梔子

三焦
夏枯草




決明子
微寒
甘、苦




腎、大腸
密蒙花
微寒





青葙子
微寒





穀精草






熱を冷ます薬効を持つだけあって、ほぼ全ての薬物が寒の薬性を持ちます。また帰経はそれぞれの薬物の作用部位をほぼそのまま表しており、それぞれの薬物の特徴ともなっています。全ての薬物が胃と肝経のどちらかに帰属し、また胃経に属するもののほとんどは肺経にも属します。違いをしっかり覚えましょう。

それぞれの薬物の特徴を見てみましょう。

石膏
清熱瀉火、除煩止渇、収斂生肌の効能があります。性味は甘、辛、大寒で、帰経は肺、胃です。特に強力な清熱作用を持つため大寒の性味をもちます。臨床では肺胃の実熱を取り去る実熱の要薬です。温熱病で壮熱、煩渇、汗出、脈:洪大などの肺胃気の実熱証に常用され、また邪熱が肺に溜まったもの、呼吸過多、粘る痰、肺熱の咳、胃熱による胃のむかつき、頭痛、歯痛などにも使われます。温邪が気と血の両方に入ってしまった場合、石膏は清熱涼血薬と配合して用いられます。また石膏を炙ると清熱収湿、斂瘡生肌の効能が出てきます。このため粉末にして、長引く瘡瘍潰爛の傷口や、熱湯や直火による熱を持った火傷などに塗布し外用して用いたりもします。
寒水石
清熱瀉火の効能があります。性味は鹹、辛、大寒で、帰経は胃、腎、心ですが、時に胃と腎のみとされます。石膏と同じく大寒の薬性を持ち、常用はされませんが丹毒や火傷に内服、または外用されます。
知母
清熱瀉火、滋陰潤燥の効能があります。性味は甘、苦、寒で、帰経は肺、胃、腎です。寒の薬性で熱を清め、甘の性味で陰を潤します。清熱の力は石膏より劣りますが、滋陰燥湿の作用は勝ります。上は肺熱を冷まして潤し、中は胃熱を清め津液を生み、下は腎火を瀉するという、上中下の三焦すべてに効果のある薬物です。また清実、虚熱の両方に用いることができるという特徴があります。熱病の邪熱が亢進し、壮熱、煩渇、脈:洪大などの肺胃実熱証、肺熱の咳、陰虚の乾いた咳、陰虚火旺、骨蒸潮熱、盗汗心煩、陰虚消乾、腸燥便秘などの証に用います。
石膏、知母はどちらも性:寒で、肺、胃経に属し、清熱瀉火、除煩止渇の効能があります。気の温熱病邪で、壮熱、煩乾、汗出、脈:洪大などの肺胃気の実熱証、また肺熱の咳などに用います。石膏の瀉火力は知母よりも強力で、肺胃の実火を清める方に効能が偏っており、肺熱の咳、胃熱によるむかつき、頭痛、歯痛などに多用されます。また加熱した石膏は収斂生肌の作用があり、外用にも用いられます。対して知母は滋陰潤燥の力が強く、肺胃の燥を滋潤する作用に効能が偏っており、陰虚の咳、陰虚による喉の渇きなどに多用されます。また知母は腎経にも入るので、腎火を鎮め、潤腸通便の効能も持ちます。陰虚火旺、骨蒸潮熱や腸燥便秘などの証に用いるのも特徴です。
蘆根
清熱生津、除煩止嘔、利尿、透疹の効能があります。性味は甘、寒、また潤で、帰経は肺、胃です。肺と胃の熱を取り去り、渇きを止め、熱毒を除いて吐き気を止める作用があります。熱病で津液が不足しているものなどに常用され、煩熱口渇、舌赤少津、胃熱嘔逆、肺熱の咳、肺癰吐膿などの証に用います。この他清熱利尿、透疹の効能もあり、小便短赤、熱淋渋痛などの証にも用います。
天花粉
清熱生津、清肺潤燥、解毒消癰の効能があります。性味は苦、甘、寒で、帰経は肺、胃です。効能は蘆根に似ており、清熱の効果は蘆根に劣りますが、生津の効果は勝るとされます。熱病で津液が不足するもの、口燥煩渇、陰虚内熱、消渇多飲などの証に用います。天花粉は清熱解毒、消癰排膿の効能もあり、癰腫瘡瘍などの傷口に外科的に用いることがあります。また近年は出産や子宮の各種病気に数々の研究報告があり、出産時の出血を軽減したり、子宮外妊娠、流産体質の改善、子宮がんなどにも用いられます。
蘆根と天花粉はどちらも甘、寒の性味を持ち清熱生津、除煩止渇の効能があります。熱病が津液の不足を招いたもの、肺胃熱で口が渇くもの、肺熱の咳などに同じように用いられます。清熱の力は蘆根が勝り、清肺去痰、排膿、清胃止嘔、清熱利尿などの効果に優れます。生津の力は天花粉が勝り、陰虚内熱、消渇多飲、空咳などには天花粉が常用されます。天花粉には解毒消癰の効果もあり外用され、また各種子宮の疾患などにも用いられます。
竹葉
清熱除煩、生津、利尿の効能があります。性味は甘、淡、寒で、帰経は心、胃、小腸ですが、時に肺、心、胃として、淡竹葉と区別することもあります。清心、清胃熱の効果に優れているとされ、心火による気分の悪さや胃熱による口の渇きによく用いられます。また熱病による津液の不足や、心火による口渇、口内炎などにも用います。
淡竹葉
清熱除煩、利尿通淋の効能があります。性味は甘、淡、寒で、帰経は心、胃、小腸です。清心泄熱の効果に優れているとされ、熱病による津液の不足や、心火による口渇、口内炎などに用います。また熱が小腸に到ったものにも用いられます。滲湿泄熱の効果に優れ浮腫で尿量の少ないもの、また黄疸で尿が赤くなったものなどにも用います。
竹葉と淡竹葉はどちらも甘、淡、寒の性味を持ち、どちらも帰経は心、胃、小腸とされます。どちらも熱病による津液不足による煩熱口渇、また心火上炎による口内炎、心熱が小腸に到ったことによる小便短赤渋痛などに用います。どちらもよく似た効能を持ちますが、竹葉は清心除煩に長け、淡竹葉は清熱利尿に長けているとされます。また竹葉は風熱の邪を冷まして除く作用を期待して、外感風熱で口渇のあるものなどにも用いられます。この他に、竹葉の幼葉を竹葉巻心と呼び、清心火の作用に更に優れているとされ、熱病の邪が心包にまで到り、昏倒したものなどに多用されます。
鴨跖草
清熱解毒、利尿通淋の効能があります。性味は、甘、苦、寒で、帰経は肺、胃、膀胱です。温病の初期で邪が衛に入り、熱が気に入ったものによく用いられます。高熱を出して喉が渇いたり、喉が痺れたり、浮腫みや小便痛があるものなどに用います。
梔子
瀉火除煩、清熱利湿、涼血解毒の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は肺、胃、肝、三焦、時に心をくわえます。梔子は薬効がゆっくりと下降して、肺、胃、肝、三焦の熱を小便として出すという特徴があります。また気の熱を冷まして煩を除き、血の熱を冷まして解毒するという気血両方の清熱効果があるという特徴もあります。熱病による煩悶や、湿熱による黄疸、血熱による出血、吐血、ニキビ、打撲などに常用されます。
夏枯草
清肝火、散鬱結、降血圧の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は肝、胆です。肝胆の鬱火を除く効能に優れ、特に肝火の上昇による目の充血、眼球痛、涙目、頭痛などに常用される清肝明目の良薬とされます。肝火が凝結した肩こりや疲労、子宮筋腫などにも用いられます。現代では高血圧症で肝熱陽亢のものによく用いられます。
決明子
平肝息風薬に分類されることもあります。清肝明目、平肝潜陽、潤腸通便の効能があります。性味は甘、苦、微寒で、帰経は肝、腎、大腸、時に肝、大腸のみです。肝火を排泄し、腎の陰気を益す作用に優れ、明目の佳品と呼ばれます。肝の実火を清め、目の腫れや充血、痛み、腎気不足による視力低下など眼科での実虚両方の証に用いられます。また潤腸通便、降血圧の効能もあり、内熱による便秘や肝熱亢進による高血圧にも用いられます。
夏枯草と決明子はどちらも清肝明目、降血圧の効能があり、肝火上炎による目の充血や高血圧などに用いられます。夏枯草は清肝火の力が強く、肝火鬱結による肩こりや子宮筋腫などに用いられます。決明子は益腎陽の作用に優れ、眼科の実虚両方の証に用いることができます。また清熱潤腸通便の効能もあり内熱による腸の乾燥が原因の便秘に用いられることもあります。
密蒙花
清肝、明目退翳の効能があります。性味は甘、微寒で、帰経は肝です。
青葙子
清肝瀉火、明目退翳の効能があります。性味は苦、微寒で、帰経は肝です。
密蒙花と青葙子はどちらも夏枯草、決明子などと同じように眼科の処方によく用いられる薬物です。密蒙花は清肝熱の効果に優れまた、弱い養血の作用があるとされ、虚実どちらの証にも用いられます。青葙子は清泄肝火の力が比較的強く、高血圧などの合併症があり、肝火の亢進したものに用いられます。
穀精草
疏散風熱、明目退陰の効能があります。性味は甘、平で、帰経は肝、胃です。眼科の疾患に多用されます。また風熱の頭痛、歯痛、喉の痺れなどに時々用いられます。

木賊、谷精草にも明目退翳の効能があり、肝火上炎による目の充血、涙目などに用います。木賊は疏風の力が比較的強く、また止血や痔にも用い、谷精草は清熱の力が比較的強いという違いがあります。

用法用量と注意
石膏の辛寒清解、知母の甘寒滋潤、蘆根と天花粉の甘寒生津、竹葉と淡竹葉の甘淡利湿、梔子の苦寒清降の効能と薬味は必ず覚えておきましょう。どれも常用される薬物です。

石膏は鉱物薬で毒性がないため煎液では15-60gほどの大量を用いることがあります。砕いて他の薬物よりも先に煎じると良いとされます。また外用時は炙ってから粉にして用います。また大寒の性質を持つため、脾胃の虚寒及び陰虚内熱のものには使ってはいけません。

知母は寒性で潤質であり、潤腸の効能があります。脾虚で便が泥状のものにはあまり使いません。

天花粉には子宮収縮効果があり、妊婦には禁忌とされます。また天花粉は別名を栝楼根といい、栝楼と同一の植物が基原となっています。このため栝楼と反するとされる烏頭とは同時に用いません。

決明子を通便の目的で用いる場合は、炙る時間を短くしたものがよいとされます。また気虚で便が泥状のものには用いません。

青葙子は瞳孔拡大作用があり、緑内障には禁忌とされます。

生石膏は清熱瀉火、除煩止渇の効能に優れ、焼石膏は収斂生肌の効能に優れます。知母は清熱瀉火にはそのまま、滋陰降火には塩水で炙ってから使うと良いとされます。蘆根は新鮮なものの方が作用が強く、乾燥品は新鮮なものよりも効果が劣るとされます。梔子はそのまま用いると気の瀉火に、黒炒したものは血の瀉火に優れるとされます。

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川軍飲│大黄ジュース

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
単一の薬物だけを使った薬膳料理シリーズ、本日は『川軍飲│大黄ジュース』の紹介です。

名前にある川軍とは生薬「大黄」の別名で、他にも将軍、錦紋などの呼び名があります。将軍の名は“禍乱を除いて太平をもたらす”という強力な薬効から、川軍は四川省が主要な産地であることから、錦紋の名は断面に模様が浮かぶことから名付けられています。もちろん『将軍飲』や『錦紋飲』と呼んでもOKです。

「大黄」の名前を聞いたことのある多くの方の中では大黄=下剤というイメージだと思います。中医学でも瀉下薬の中でも特に攻下薬に分類され、下剤としての使い方も間違ってはいないのですが、その他に多くの作用を持つので簡単に説明しておきましょう。

中医学では「瀉下攻積」、「瀉火」、「清熱解毒」、「活血去瘀」、「利水」、「清化湿熱」というかなり多岐にわたる効能があります。おなかを押さえるのを嫌がるほどの腹部が張っている便秘にはもちろん、瀉火の作用で火邪が頭痛、眼の充血などを引き起こしたもの、吐血、喀血、鼻血などを引き起こしたものなどを治療します。また清熱解毒作用で通便を通して体内にこもった熱をとったり、活血作用を使って打撲に外用したり、湿熱の黄疸に使ったりもします。

他にもかなり広範囲にわたる抗菌作用や止血作用もあり、軟膏やシップに配合されたりもします。かなり応用範囲の広い薬物です。

体の中に熱が溜まっているなと感じる方は、この『川軍飲│大黄ジュース』を飲んでみてはいかがでしょうか?

鮮香菇蝦球│シイタケとエビの蒸し物

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『鮮香菇蝦球│シイタケとエビの蒸し物』のレシピを紹介します。台湾家庭料理の一つですが、レストランやビュッフェでも食べられます。

中国語でシイタケの正式名称は「香菇」といいます。しかしシイタケを指す中国語には色々なバージョンがあり、その数はなんと10種類以上。まずは栽培する季節で呼び分ける「春菇」、「夏菇」、「秋菇」、「冬菇」。産地で分ける「北菇」、「南菇」。かさの厚さで分ける「薄菇」、「厚菇」。かさの模様を強調した「花菇」、生薬としては「香蕈」、日本からの輸入品はそのまま「椎茸」と呼び、ほかにも地方名などを合わせると膨大な数の呼び名があります。

日本では古くから栽培が行われており、中国を訪れる僧らはよく手土産として干ししいたけを持ち大陸に渡ったといわれます。日本産の椎茸は戦後しばらくまで中国に大量に輸出されていましたが、品種と栽培方法は案の定中国にコピーされてしまいました。現在は安い中国産を日本が大量に輸入するという逆転現象が起きており、栽培農家が悲鳴を上げています。韓国のイチゴやナシの例もありますので、特定品種の海外持ち出しは厳しく制限すると共に国際的にも厳しい監視と輸入の規制などを行う必要があるでしょう。アメリカはこういうところ容赦ないんですけどね。

広大な中国では800年以上前からシイタケの栽培が行われており、仏教徒にはなくてはならない食材として日本にも移入、その後中国での栽培は国内の混乱もあってほとんど行われなくなっていましたが、戦後あたりから次第に盛り返します。近代に入ってからは福建省で大規模な栽培が行われるようになりましたが、人件費の高騰によって次第に内陸部に生産地が移りつつあります。国内でも人件費に格差のある中国ならではの減少といえるでしょう。そのうち中東や中央アジア、アフリカ産のシイタケが日本にも輸出される日が来るかもしれませんね。

シイタケなどキノコ類の自宅栽培キットはイスラムの国でも大ヒットしそうな気がします。


蒜子田雞湯│ニンニクとカエル肉のスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
炊飯器で作るお手軽スープ『蒜子田雞湯│ニンニクとカエル肉のスープ』のレシピを紹介します。

カエル料理は近年に入って世界的に食べられるようになっており、中華料理でも一般的な食材の一つです。料理名にある「田雞」は食用にするアカガエルの一種を表す名前ですが、広くカエル類一般の名称としても通用します。ちなみに中国語でアオガエルは「青蛙」とそのままの名前です。台湾ではおなじみタピオカを黒糖で煮てミルクティーに加えた「青蛙蛋奶(タピオカ黒糖ミルクティー)」の名前でもおなじみですね。

かえるはその幼生時代、つまりおたまじゃくしの時期はえら呼吸しか出来ず、皮膚全体が粘膜であるため、基本的に淡水のない場所では生育できません。が例えば植物に付いた朝露や地下水脈など、わずかな水でも生育する種もおり、砂漠と寒冷地以外のほとんど全ての地球上に分布しています。愛らしい外見をしていますが、種によっては「生物界最強」とも言われる毒をもちます。特にアフリカでカラフルなカエルを見かけても気軽に触ったりしないようにしましょう。

さて、カエルといえば日本の薬学生の多くが学校で習い、そのインパクトの強さから名前だけは知っているという生薬「蟾酥(せんそ)」の話をすこししておきましょう。アジアヒキガエルなどの大型カエル類の分泌液を集めて乾燥させたもので、麻酔、強心作用などがあります。日本では臨床でほとんど使われないのに、民間薬としてわずかに需要があるため薬局方に載っていると言う珍しい薬です。生薬唯一の毒薬でもあります。

中医学では重大な病気に使われることが多く、扁桃腺の切除手術に蟾酥のエキスで麻酔をかけたり、注射液をがんや結核に使ったり、そんでもって時々「著効」の報告がある論文があったりとなかなかに侮れない生薬なのかもしれません。

日本でも冷凍品などで昔よりも手軽にカエル肉が手に入るようになりました。未経験の人は鶏肉の代わりに各種料理に使ってみましょう。


千葉豆腐│四川風千枚豆腐

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『千葉豆腐│四川風千枚豆腐』のレシピを紹介します。『千頁豆腐』とも書かれ、結構各地で類似の料理があります。今回は四川風『千葉豆腐』ですが、まったく辛くありません。

せっかく料理名に数字が入っているので、数字を表す漢字をおさらいしてみましょう。一十百千萬億兆京…とこの辺までなら世界経済でのお金の単位としておなじみです。順番に見てみましょう。

一:いわずと知れた一つを表す文字です。

十:まとめて一つの束を意味し、古くは数字の「1」のように縦に線を引いて表しました。まとめられているので中央に束ねる紐を書き加えられ、それが膨らんで現在の形になりました。

百: 一に漢字の「白」を足したものです。音も白に借りています。

千:一に「人」の字に横線を引いた形です。なぜこの形が千を表すようになったのかはまだはっきりしていません。もともとはただ「たくさん」を表す漢字でした。

萬(万):もともとサソリを表す漢字がなぜか数字の単位として使われるようになりました。なぜでしょうか…。

億:古代の想像上の最高数で人の頭が一杯になってしまうくらいの数の意味で用いられていました。抑圧の「抑」と同じ系統の漢字だそうです。

兆:もともとは「きざし」の意味で、亀の甲羅が割れた部分を示す象形文字です。

京:もともとは人の住む場所を表した漢字です。「高」や「亨」とも同じ系統の漢字だそうです。

というわけで、料理名は「たくさん(千)の薄切り(葉・頁)豆腐」という意味になります。見た目だけでなくとても簡単でおいしいので、ぜひ再現してみて下さい。


 
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