四神湯│四神湯

難易度:☆☆ 調理時間:3時間
筆者も大好きな台湾薬膳料理、本格『四神湯│四神湯』のレシピを紹介します。以前も紹介した同名料理よりかなり本格的な作り方です。濃厚なスープをぜひお楽しみください。

四神湯は20世紀に台湾で生まれた薬膳料理。もともとは「四臣湯」という名前で呼ばれていました。台湾語で「臣」と「神」の発音が似ており、いつの間にか訛って『四神湯』と呼ばれるようになったという説が有力です。

『四神湯』は20世紀に台湾で生まれた料理なのは間違いないのですが、その前身である「四臣湯」は16世紀の清朝で流行したある薬方が由来になっています。

清の乾隆帝が江南地域を遊覧中、側で使えていた四人の臣下が日夜の疲労がたたり次々と病に倒れました。御侍医が芡実、蓮子、淮山、茯苓を等量と豚モツを煮込んだ薬を処方し、四人の病はすぐに治ったと言います。乾隆帝はこの薬を「四臣湯」と名付けて大変喜びました。この処方が民間に伝わり、慢性疲労や消化不良の薬として使われていたのが始まりと言われます。


『四神湯』のオリジナルである「四臣湯」の薬剤は全て豊富な澱粉を含み、これにタンパク質豊富な豚モツや大豆などを加え栄養バランスを整えています。芡実には益腎固精、健脾止瀉、收澀の作用があり、夢遺、滑精、遺尿、尿頻、脾虛久瀉、滋養強壮、安眠、疲労防止などの効果があります。淮山(山薬)には補脾養胃、補肺固腎、血糖低下、抗老化などの薬理作用があります。茯苓は有名な利尿、健脾の薬。蓮子は高い栄養価があり、清心安神、補腎、補益脾胃などの作用があります。現在では「薏苡仁、芡実、淮山、蓮子」の四つで四神と思っている人が多いですが、もともとは薏苡仁の代わりに茯苓を使っていたのですね。

総合すると利湿、健脾胃、固腎補肺、養心安神などの作用があり、消化不良、体力低下、慢性疲労などに高い効果が期待できます。現代の『四神湯』にはこれに更に薏苡仁を加えて清熱利湿、健脾の作用を増強させています。台湾の湿気の高い気候にはピッタリの薬膳料理ですね。

本日紹介するレシピは豚骨からスープを取るかなり本格的なもの。生薬も活血行気の川芎と補血の当帰を加えて四物湯のような効果を追加しており貧血や血の流れが悪い人にもおすすめです。


[材料1]
豚骨 ……… 300g
豚モツ ……… 450g
当帰 ……… 5g
川芎 ……… 3g
山薬 ……… 15g
茯苓 ……… 10g
蓮子 ……… 20g
芡実 ……… 40g
薏苡仁 ……… 75g
水 ……… 2500cc

[材料2]
ショウガ ……… 10g
ネギ ……… 1本
酒 ……… 大さじ2

[調味料]
酒 ……… 100g
塩 ……… 大さじ1/2
固形ブイヨン ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1/2

[作り方]
1.鍋に適量の水(分量外)と材料2の薄切りにしたショウガ、ぶつ切りにしたネギ、酒を加えて沸騰させ、豚骨を煮込んでアクを抜いておく。豚骨に火が通ったら取り出して水気を切っておく。

2.豚モツはよく洗い、軽く塩(分量外)を刷り込んでおく。鍋に水(分量外)を沸騰させて豚モツを入れ、煮込んで火を通す。火が通ったら取り出して氷水に付けておく。

3.材料1の生薬をザルなどで軽くあらい、ゴミを落としておく。

4.鍋に水2500cc、作り方1の豚骨、作り方2の豚モツ、作り方3の生薬、酒を入れ、強火で加熱して沸騰させる。

5.沸騰したら弱火にし蓋をして90分ほど煮込む。煮込んだら調味料を加えて味を整え、食べる直前に豚骨を取り出し、豚モツをハサミで適当な長さに切り分けたら完成。

Point!

煮込んでいるときは焦げ付かないように適宜かき混ぜましょう。豚骨を鍋の一番底に入れておくとよいです。

炊飯器で作れないこともないのですが、豚骨があるのでよほど大きな鍋でないと上手く炊けないと思います。 おとなしく普通の鍋で作りましょう。

最初にしっかりと豚骨の臭みを抜いていないと、独特の臭みが出ます。骨髄の中まで火を通しアクをきれいに取りましょう。直火で炙って火を通してもOKです。


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