排南│金華ハムの紹興酒煮

難易度:☆ 調理時間:2時間
本日は浙江の『排南』という料理を紹介します。台湾でも高級レストランではおなじみの金華ハムを使ったシンプルな料理で、豚肉の旨味を余すことなく味わえます。

言い伝えによると800年以上前、南宋で金と戦った名将宋澤が金華ハムの始祖といわれています。彼の軍が遠征からの帰りに捕まえた豚の肉を漬け汁に浸けて宮廷に持ち帰り皇帝に献上したところ、真っ赤に染まったその色を見た皇帝が「金華」と名付けたのが名前の由来だと言います。その後金華ハムは「色、香、味、形」の四絶を供えた名品として中華全土に急速に普及します。

『排南』の名称の由来は料理の形が中国のゲームで使われる「骨牌」と似ており、杭州方言で「牌」 と「排」の発音が同じ事から。

今では日本でもすっかりおなじみの金華ハムは、なんと清朝時代には既に日本に輸入されて消費されていました。1915年のパナマ国際商品博覧会でも中国から出品され特別賞を受賞するほど人気を博しました。これによりアメリカやヨーロッパでも広く普及することになります。

金華ハムの製法は工場ごとに大きく異なり、材料の豚肉も様々な品種、様々な部位が使われます。特にオスの腰肉(ロース)を使った金華ハムは上品とされ、この料理も本来はこの部位を使って作ります。

清代に編纂された本草書《本草綱目捨遺》にも金華ハムの記載があり、これによると益腎、養胃、生津、壮陽、固骨髓、健足力等の効能があるとされます。薬膳の世界では病人を回復させ、老化を防ぎ、産後の女性を助けるなどの目的に使います。

一口食べれば食欲増進、二口食べれば幸せに、三口食べれば健康になるとも言われる金華ハム。金華ハムの旨味を余すことなく味わえる『排南│金華ハムの紹興酒煮』。簡単に作れますので、ぜひ挑戦してみましょう。


[材料]
金華ハム(オスもも部分) ……… 150g

[調味料]
砂糖 ……… 15g
水 ……… 適量
紹興酒 ……… 10g

[作り方]
1.金華ハムを長さ2.5cm、幅1.5cm、厚さ3mmの短冊形24枚に切り、蒸し器に入る小皿に下層4×3の12枚、中層4×2の8枚、上層4×1の4枚のピラミッド型に並べる。

2.砂糖に少量の水を加えて糊状に溶かし、紹興酒を加えてよくかき混ぜる。これを作り方1の金華ハムの上にかけて蓋をし、器ごと蒸し器で2時間蒸して完成。

Point!
短冊状に切った金華ハムに砂糖水と紹興酒をかけて蒸すだけの簡単料理です。蓋をして蒸すので食べる直前まで余り香りはしませんが、蓋を開けたとたん芳醇な香りが広がります。

冷えるとせっかくの香りが立たないので、熱いうちにご飯などと一緒に食べましょう。


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