鍋貼│台湾焼き餃子

難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
久しぶりに割りと著名な台湾料理を紹介しましょう、その名も『鍋貼│台湾焼き餃子』といいます。日本の餃子と同じく、台湾でも多くのチェーン店がしのぎを削っています。

今回紹介する『鍋貼』は非常にオーソドックスなものですが、日本のものと同じように中の具や作り方にこれといった決まりはありません。唯一台湾式の特徴といえば細長く平たい形状なのですが、これも好みで変えてください。

餃子の起源は相当古く、言い伝えによると東漢末期にまで遡ります。開発したのはなんと張仲景(!、薬学を勉強している人はニヤリとするところですよ!)彼は任地で多くの人々が病に倒れてるのを目にし、そのほとんどが「傷寒病」であることから、この病に対する医書「傷寒雑病論」を書き上げます。

なんと餃子の起源はこの張仲景が作った「祛寒嬌耳湯」とよばれる処方。凍傷で耳まで凍っていた人々を救うために開発した処方で、羊肉をベースにトウガラシ などを混ぜ合わせて、小麦粉に包んだものをスープに入れた処方だといいます。

んでもって詳しく調べてみたのですが、どうもこの話…、民間伝承の類でソースが見当たりません。張仲景の墓や記念館みたいなところに行けば詳しい解説があるかもしれませんがかなり眉唾です。中国語のサイトをざっと探してみたのですが「羊肉とトウガラシなどを小麦粉に包んで…冬至から正月まで振舞った」としか書いておらず、この二つ以外の材料がまったく分かりません。名前のある処方ならそれ以外の材料の分量や作り方まで伝わっているはずなのですが、どうもその辺がまったく明らかになっていないのです。

一番の矛盾は張仲景の生きた東漢の時代には中国にはまだ「トウガラシ」は伝わっていなかったということでしょうか…。彼は河南省出身なので使ったとすれば花椒なのですが、誰も疑問に思わないんでしょうか?

あと張仲景がこの料理を振舞ったという河南省(古代から米の産地)では、餃子の皮には古くから米粉を使うそうです。小麦粉を混ぜた可能性はありますが、米粉で作るという記載がないのもちょっと疑問ですね。

最後に中国人が正月に餃子を食べる習慣があるのはその形状が古代のお金に似ているからで、金運を祈るためです。寒さをしのぐためではありません。どうやら河南省では「正月に餃子を食べないと耳が落ちる」という迷信があるそうですが、張仲景の伝説が形を変えたのか、この迷信が形を変えて張仲景の話になったのかは定かではありません。

とにもかくにも、餃子の歴史は非常に古いのは間違いなく、唐代にはワンタン、南宋の時代には角子と呼ばれるようになり、中国全土でアレンジされて現在に繋がります。

これに『酸辣湯』をあわせれば、気分はまさに台湾。日本で気軽に台湾気分を味わえる料理です。


[材料]
キャベツ ……… 600g
豚ひき肉 ………300g
餃子の皮 ……… 50枚

[調味料1]
塩 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 大さじ2
胡椒 ……… 小さじ1/2
小麦粉 ……… 大さじ1
水 ……… 適量

[調味料2]
醤油 ……… 適量
酢 ……… 適量
ラー油 ……… 適量

[作り方]
1.キャベツはよく洗い細かくみじん切りにする。ボウルなどに入れて塩を振り、よく揉んで水分を染み出させる。手で握って水気を切ってから、豚挽き肉とごま油、胡椒と混ぜ合わせ餡を作る。

2.餃子の皮の中心に作り方1の餡を乗せ両側から挟むようにして口を閉じる。

3.フライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、作り方2の餃子を並べて蓋をして中火で3-4分炒める。 適量の水に小麦粉を溶いたものを準備し(→Point参照)、餃子を炒めたフライパンにまんべんなく注ぐ。1-2分蓋を閉めたまま過熱して蒸したら蓋を開け、小麦粉水が軽く焦げるまで焼いたら取り出して器に並べ、調味料2を混ぜ合わせたものを添えて完成。

Point!
小麦粉水は小麦粉1:水10-13ほどで作るとよいでしょう。耳が要らないなら普通の水だけで作ってもOK。

台湾で食べる鍋貼の形状は日本のものとは異なり、四角形の皮で細長く作ります。両端をすこしだけ開けておいて肉汁を逃がし、一緒に焼き上げるのがちょっとしたコツです。

レシピの具は非常にシンプルです。好みで色々とアレンジして好きなように作って下さい。

もし皮を自作するなら、キャベツに塩を振って染み出させたキャベツ汁を使って皮を作るといいでしょう。非常にさわやかで甘い風味のする餃子の皮が作れます。おすすめです。


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