油蔥粿│台湾伝統米粉ケーキ

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難易度:☆☆、☆☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は台湾伝統の米粉ケーキ『油蔥粿│台湾伝統米粉ケーキ』を紹介します。材料の『油蔥酥』を作るのがひと手間かもしれません。

『油蔥粿』は別名を『九層炊』と呼び、少しずつ水溶き米粉を塗り重ねながら蒸して作る料理で、本格的に作るとなると非常に手間が掛かります。一層で作る簡易版のレシピも紹介していますので、時間がない人はそちらで作ってください。

清朝時代から伝わる古い時代のお菓子らしく素朴で味わい深い風味が楽しめます。われわれがなじみのあるケーキや和菓子などとは一味違うお菓子が作れますので、興味のある方はぜひ挑戦してください。

材料の『油葱酥(エシャロットチップ)』は[下準備]で作ります。


脆圓│脆円、台湾ほろろ白玉

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は『脆圓│脆円、台湾ほろろ白玉』という台湾のデザートを紹介します。台湾南部では『粉角』とも呼ばれる台湾に独特のデザートで、モチモチとした独特の食感が特徴です。

現在台湾の北部では単品のデザートとしてよりも、『豆花』、『紅豆湯』、そして飲料の具として使われることが多いですが、南部ではまだシロップで食べる『脆圓(粉角)』を提供している店も多くあります。

もともとタピオカ粉を使ってつくる『脆圓』は非常にプリプリモチモチとした食感(Q感)が売りの伝統デザートでしたが、数年前に食感を追求するあまりなんと「硼砂(ホウシャ)」を混入していたことが分かりました。中華民族の食の追求心(?)はときに恐るべき結果を招きますね…。

「硼砂」には高分子を架橋する働きがありますが、澱粉には直接作用しないはずなのでおそらく他の有機化合物も混ざっていたのでしょう。というかまんまスライムですね…。台湾は時々(ほぼ毎月…)こういった「食の安全」に関する報道があるので気が抜けません。何も知らずに「独特の食感!」と喜んで食べていた人は、地獄に突き落とされたような気持ちだったでしょう。ちなみに硼砂は胃酸により「ホウ酸」に変化し毒性を発揮します。子供なら3-5gで死んでしまうほどです。

近年この手の「食品添加物事件」は大きく乱高下する食品原料価格と、容易に値段を変えられない食品販売店の間の駆け引きが原因になることが多いのですが、『脆圓』の場合は食感(Q感)を追求する余り…といったところでしょうか。

ここ数年台湾ではこの手の違法な添加物を加えた食品の問題が大きく取り上げられるようになりました。(それまでほぼ野放し状態だったのも驚きですが…。)日本も隣国のことと笑ってはいられませんが、美食を楽しみに台湾を訪れる外国人らにも、いつでも堂々と食を提供できるそういう国になってほしいものです。

というわけで、今回はタピオカ粉と硼砂(…)ではなく、サツマイモ澱粉を使って昔日を再現する『脆圓』を作ってみます。夏はカキ氷とシロップで、冬はぜんざいに入れて冷熱どちらでも楽しめます。

粉さえあれば簡単に作れる、子供の大好きな台湾伝統のデザートです。作り方を覚えて皆を驚かせてやりましょう。



新吉士鱸魚│スズキのから揚げオレンジソースかけ

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は「中餐丙級證照」シリーズから『新吉士鱸魚│スズキのから揚げオレンジソースかけ』のレシピを紹介します。さわやかなオレンジの酸味と旨味いっぱいのスズキを蒸して作る料理です。作るのは簡単なのですが、スズキの下処理をしっかりしないと非常に残念な料理になってしまいます。気合を入れて作りましょう。

今回の調理に使うオレンジはご存知アメリカを代表する農産物です。アメリカのオレンジ農家協同組合が販売する「Sunkist(サンキスト)」ブランドは世界中で有名で、中国語で「香吉士」と書きます。料理名は「新吉士」と漢字が違うのですが、その辺は大人の事情ということでしょう。

さてこの「香吉士」、実はサンキストの中国語名という以上にもう一つ重大な意味があります。世界を席巻する日本の人気漫画ワンピースに登場する人気キャラ「サンジ」の中国語名がこの「香吉士」なのです。(グーグルで画像検索するとどのくらいヒットすることか…。)

「香吉士」だけ検索すれば、サンキストのサイトにたどり着けないくらいワンピース関連のサイトがヒットします。検索エンジンももうちょっと賢くなって欲しいものです…。

この料理は本来バレンシアオレンジなどのスイートシトラスを使って調理します。しかし日本で作るならコタツの上にあるミカンやポンカンを使って和風の味わいを追求してもよいでしょう。何度も言いますが、スズキのした処理はしっかりと!晩御飯のメインディッシュにふさわしい見事な料理ができますので、ぜひ挑戦して下さい。


鹿港芋丸│鹿港風芋まん

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は珍しい台湾の当地料理『鹿港芋丸│鹿港風芋まん』を紹介します。鹿港では『牛舌餅』と並んで名物料理に数えられます。

鹿港は大陸沿岸との最短距離に位置する天然の良港で海上交通が主流であった大航海時代、鄭政権から清朝統治時代にかけて、台湾西部の一大港として栄えた都市です。特に清朝時代に福州蚶江と正式な定期便が設定されると台湾の玄関口として非常な賑わいを見せます。住民のほとんどが泉州の出身で、台湾最古の龍山寺や媽祖廟があることでも有名です。

海上交通の要所として栄えましたが内陸部との連結はすこし不便で、日本統治時代に台中から製糖会社の鉄道が引かれ旅客営業を開始するまでは船以外の交通手段が発達せず、陸路でその他の地域との連絡があまりありませんでした。その鉄道の旅客営業も1970年に終了してしまい、近代の高速道路や鉄道の敷設計画からももれてしまったため、非常に長い歴史と伝統、豊富な観光資源のある町なのに陸の孤島のような状態なのです。今でも公共交通を利用して訪れるには、台中からバスに乗るしか手段がありません。

鹿港は日本統治時代の建物どころか清朝時代の建物がそのまま保存されており、台湾屈指の古跡めぐりができる隠れた観光スポットです。 日本統治以前の台湾の歴史に触れたい方には、間違いなくおすすめできる場所です。著名な観光スポットを巡りつくしたという台湾上級者は、ここ鹿港を訪れてみてはいかがでしょうか?

今回紹介する『鹿港芋丸』 はその名の通り鹿港を代表する小吃の一つで、その他の地域ではほとんど食べられない珍しい台湾料理です。清朝時代には港の労働者たちの活力源として、現代は学校帰りの学生たちのおやつ代わりに食べられている古き良き伝統料理です。材料は日本でも簡単に手に入りますので、興味のある方は再現してみましょう。小さく作って鍋に入れると美味しいですよ。



甜不辣│台湾おでん

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日のレシピは『甜不辣│台湾おでん』、中国語でテェン・プー・ラーと発音し、そのまま日本の「テンプラ」が名前の由来になっています。

このブログでは以前『天婦羅│台湾式てんぷら』という料理を紹介しています。字面からすれば、こちらの方が本物の天婦羅のようですが、はたして両者の関係は如何に?

台湾の「てんぷら」はいわゆる関西のてんぷらで、関東ではさつま揚げと呼ばれる魚のすり身を上げたものです。関東で言う衣を付けて揚げるてんぷらは「炸蝦」などと呼ばれます。

『甜不辣』と『天婦羅』ははっきり区別のある料理ですが、筆者も時々間違えて注文してしまうほど紛らわしい料理でもあります。

『甜不辣』は揚げた魚のすり身を他の具と一緒に煮込んだものをスープと一緒に食べるスタイル。『天婦羅』は揚げた魚のすり身をそのまま食べるスタイルです。

日本で関東式のてんぷらを食べた台湾人は、更に混乱してしまうらしく定期的にインターネット上で議論が交わされています(笑)。もし台湾人に質問されたら、きちんと答えられるようにしておきましょう。

魚のすり身を使って一から作ってもいいですが、手間が掛かるので今回は「さつま揚げ(関西でいうてんぷら)」を使って調理します。まぁ…ほとんどそのまま日本のおでんなので、日本のおでんの素を買ってきてさつま揚げを入れるだけで再現できてしまいます。 せめて『海山醤』くらいは手作りして台湾の雰囲気を出しましょう。


芋圓│芋円、タロイモの白玉

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
本日は台湾旅行では定番のデザート『芋圓│芋円、タロイモの白玉』のレシピを紹介します。台湾の伝統的なお菓子で、多くの日本人が訪れる九份にも有名店があります。台湾旅行時に食べたことのある人も多いことでしょう。

『芋圓』は戦後すぐの1946年、瑞芳に住む蔡林保雲という女性によって開発されたといいます。1938年に結婚し瑞芳に嫁いだ保雲さんは、雑貨店を経営していた嫁ぎ先で梅干を売って道行く人の喉の渇きを癒していたそうです。その後カキ氷を売り始めたのですが、タロイモの好きな保雲さんはどうにかして新しい食感を得ようと試行錯誤し、1946年にこの『芋圓』を開発したのだそうです。

保雲さんが芋圓を開発した店は、現在は『保雲芋圓』と呼ばれ、保雲さんの孫らによりいまでも経営が続けられています。瑞芳は九份へ移動するときの足がかりとなる駅で、『保雲芋圓』は瑞芳駅の真正面にあります。

台湾の食の歴史をたどるなら絶対にはずせないポイントです。記事の最後に『保雲芋圓』の詳しい場所(といっても瑞芳駅の真正面なんですが…)を記しておきますので、興味のある方は元祖の味をぜひお楽しみください。

今回はサトイモを使っていますが、サツマイモや豆類でも作れます。色々な材料で試してみてください。

鍋貼│台湾焼き餃子

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
久しぶりに割りと著名な台湾料理を紹介しましょう、その名も『鍋貼│台湾焼き餃子』といいます。日本の餃子と同じく、台湾でも多くのチェーン店がしのぎを削っています。

今回紹介する『鍋貼』は非常にオーソドックスなものですが、日本のものと同じように中の具や作り方にこれといった決まりはありません。唯一台湾式の特徴といえば細長く平たい形状なのですが、これも好みで変えてください。

餃子の起源は相当古く、言い伝えによると東漢末期にまで遡ります。開発したのはなんと張仲景(!、薬学を勉強している人はニヤリとするところですよ!)彼は任地で多くの人々が病に倒れてるのを目にし、そのほとんどが「傷寒病」であることから、この病に対する医書「傷寒雑病論」を書き上げます。

なんと餃子の起源はこの張仲景が作った「祛寒嬌耳湯」とよばれる処方。凍傷で耳まで凍っていた人々を救うために開発した処方で、羊肉をベースにトウガラシ などを混ぜ合わせて、小麦粉に包んだものをスープに入れた処方だといいます。

んでもって詳しく調べてみたのですが、どうもこの話…、民間伝承の類でソースが見当たりません。張仲景の墓や記念館みたいなところに行けば詳しい解説があるかもしれませんがかなり眉唾です。中国語のサイトをざっと探してみたのですが「羊肉とトウガラシなどを小麦粉に包んで…冬至から正月まで振舞った」としか書いておらず、この二つ以外の材料がまったく分かりません。名前のある処方ならそれ以外の材料の分量や作り方まで伝わっているはずなのですが、どうもその辺がまったく明らかになっていないのです。

一番の矛盾は張仲景の生きた東漢の時代には中国にはまだ「トウガラシ」は伝わっていなかったということでしょうか…。彼は河南省出身なので使ったとすれば花椒なのですが、誰も疑問に思わないんでしょうか?

あと張仲景がこの料理を振舞ったという河南省(古代から米の産地)では、餃子の皮には古くから米粉を使うそうです。小麦粉を混ぜた可能性はありますが、米粉で作るという記載がないのもちょっと疑問ですね。

最後に中国人が正月に餃子を食べる習慣があるのはその形状が古代のお金に似ているからで、金運を祈るためです。寒さをしのぐためではありません。どうやら河南省では「正月に餃子を食べないと耳が落ちる」という迷信があるそうですが、張仲景の伝説が形を変えたのか、この迷信が形を変えて張仲景の話になったのかは定かではありません。

とにもかくにも、餃子の歴史は非常に古いのは間違いなく、唐代にはワンタン、南宋の時代には角子と呼ばれるようになり、中国全土でアレンジされて現在に繋がります。

これに『酸辣湯』をあわせれば、気分はまさに台湾。日本で気軽に台湾気分を味わえる料理です。


豬腸冬粉│豚モツ入りビーフンスープ

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
体調戻りました!本日は『豬腸冬粉│豚モツ入りビーフンスープ』という夜市の料理を紹介します。

近年台北地方の屋台で流行している料理の一つで、特に冬場は行列ができるほどの人気店がたくさんあります。ビーフンを使って作るため腹持ちが良く、寒い冬は体が心から温まります。

本来は「人参酒」という薬酒を少量使って作るので薬膳効果も期待できます。しかし作るのに3ヶ月近く掛かり、一般の家庭で再現するには少々ハードルが高いと思うので、このレシピでは普通の酒を使っています。本格的に再現したいという方は高麗人参10g、当帰5gを料理酒500ccに3ヶ月浸けて人参酒を作り、レシピの酒と置き換えて作ってください。

材料で使っている「漬物」は台湾では冬菜と呼ばれる白菜(の仲間)の塩漬けを使います。日本で作るなら白菜にこだわらず、高菜や野沢菜などの各地域で作れる特産の漬物を使ってください。スープから香るその地方独特の微かな酸味が、食べる人の心を掴むのです。

作る場所によって少しずつ風味を変える楽しい料理です。美味しいですよ!


芋頭燒小排│サトイモとバラ肉煮込み

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は「中餐丙級證照」シリーズから、『芋頭燒小排│サトイモとバラ肉煮込み』という料理を紹介します。


芋頭は本来サトイモではなく、タロイモを指す中国語ですが、日本の普通の家庭で手に入れるのは難しいので同類のサトイモで代用しています。タロイモが手に入る方はそちらで代用してください。

サトイモはタロイモの一品種で、北方で栽培されるものを総称して言います。サトイモが所属する植物の科をサトイモ科というので紛らわしいのですが、サトイモ科の植物で根茎を食用にするものを総称してタロイモと呼び、このタロイモのうち北方で栽培されるものをサトイモと呼ぶのです。紛らわしいですね。九州や沖縄ではサトイモではない南国産のタロイモを手に入れることが出来ますよ。

 さて、サトイモ科には半夏(はんげ)と呼ばれる有名な生薬があり、薬学を学ぶ人は一度くらいは「味わったこと」があることでしょう。サトイモ科といえば半夏というほどサトイモ科を代表する生薬なのですが、実は「タロイモ」自身も明朝の《本草綱目》に薬品として記載されています。果部の33巻の記載を抜き出してみましょう。


(《別錄》中品)
【校正】自果部移入此。

【釋名】土芝(《別錄》)、蹲鴟。
時珍曰︰按︰徐鉉注《說文》云︰芋猶吁也。大葉實根、駭吁人也。吁音芋、疑怪貌。又《史記》︰卓氏云︰岷山之下、沃野、下有蹲鴟、至死不飢。注云︰芋也。蓋芋魁之狀、若鴟之蹲坐故也。芋魁、《東漢書》作芋渠。渠、魁義同。

【集解】弘景曰︰芋、錢塘最多。生則有毒、味 不可食。種芋三年、不采則成 芋。又別有野芋、名老芋、形葉相似如一、根並殺人。恭曰︰芋有六種︰青芋、紫芋、真芋、白芋、連禪芋、野芋也。其類雖多、苗並相似。莖高尺餘、葉大如扇、似荷葉而長、根類薯蕷而圓。其青芋多子、細長而毒多、初煮須灰汁、更易水煮熟、乃堪食爾。白芋、真芋、連禪、紫芋、並毒少、正可煮啖之、兼肉作羹甚佳。蹲鴟之饒、蓋謂此也。野芋大毒、不可啖之。關陝諸芋遍有、山南、江左惟有青、白、紫三芋而已。
 
(略)



芋子

【氣味】
辛、平、滑、有小毒。
大明曰︰冷。
弘景曰︰生則有毒、味 不可食。性滑下石、服餌家所忌。
 
(略)

【主治】
寬腸胃、充肌膚、滑中(《別錄》)。冷啖、療煩熱、止渴(蘇恭)。令人肥白、開胃通腸閉。產婦食之、破血;飲汁、止血渴(藏器)。破宿血、去死肌。和魚煮食、甚下氣、調中補虛(大明)。


【發明】
詵曰︰芋、白色者無味、紫色者破氣。煮汁啖之、止渴。十月後晒乾收之、冬月食不發病、他時月不可食。又和鯽魚、鱧魚作 良。久食、令人虛勞無力。又煮汁洗膩衣、白如玉也。
大明曰︰芋以薑同煮過、換水再煮、方可食之。

 (略)

葉、莖
 (略)

というわけで、昔はものによっては有毒、特に生で食べるのは止めたほうがよいとされていました。また白いもの以外にも紫や青いものも食べられていたようで、現代ほど厳密には種類分けされてはいませんが中国各地でさまざまな「芋」が栽培されていたこと、葉や茎も使われていたことなどが分かります。

薬としての効果は胃腸を広げ、肌を潤し、消化を浴します。胸に溜まった熱を取り指り、喉の渇きを潤す、体に溜まった古い血を取り除くなど作用などがあるそうです。また魚のえさに使ったり、洗った服を白くしたりするのにも使われていたそうで、これは豊富に含まれる澱粉質を利用していたのでしょう。

何度も何度も「生食はダメ」とか書かれているのは、タロイモをはじめとするサトイモ科の植物にはシュウ酸の針状結晶が含まれるため。加熱してタンパク質を変性させ、この結晶を覆ってしまわないと胃腸がひどく荒れてしまいます。サトイモもタロイモも必ず加熱して使いましょう。

とい分けで、本日はサトイモを使った家庭料理です。



鳳梨糖醋小排│パイナップル入り酢豚

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難易度:☆ 調理時間:
中餐丙級證照」シリーズから『鳳梨糖醋小排│パイナップル入り酢豚』の紹介です。酢豚自体は日本起源の中華料理なのですが、『糖醋○○』はその由来になった料理、今回はパイナップルを使って酸味を利かせて作ります。

1504年、ポルトガル人がブラジルからヨーロッパに持ち込んだことで世界中に広がったパイナップルは、1970年代までは台湾の主要な輸出産業でした。
 
パイナップルに含まれる肉類を柔らかくする作用があることで有名な蛋白分解酵素ブロメラインは、 日本でも床ずれや潰瘍の医薬品として外用軟膏が認可されていますし、西洋では気管支の炎症を取ったり痰を切ったりする内服薬としても使われている成分です。ブロメラインのタンパク質を分解する作用に関しては西洋医学のお墨付きなのです。

ブロメラインは近年台湾でも「がんに効く」などのうたい文句(もちろん表立っては広告できませんが…)で健康食品として売り出され、一定の売り上げがあるようです。腸内の悪玉蛋白(?)を分解してしまうことで健康に効果を発揮するのは分かります。本当に抗腫瘍作用があるのかは未知数…だと思っていたのですが、身近にこれだけを飲み続けてがんを治した(マジかよ!)という人がいるのでびっくりです。

ブロメラインは加熱で分解してしまうので、この手の熱々の料理では酸味付けとして使っています。健康効果は期待できません。

パイナップルではなくグレープフルーツや、リンゴ、トマトなどの酸味のあるフルーツを使っても作れます。 大人から子供まで楽しめる定番中の定番中華です。


開陽炒粄條│干しエビ風味焼ききし麵

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は「中餐丙級證照」シリーズから『開陽炒粄條│開陽炒粄條│干しエビ風味焼ききし麵』という料理を紹介します。このシリーズも始めて長いことになりますが、まだまだ半分も終わってません。いつ終わるんでしょうか(笑)。

今回は「台湾料理」と呼ばれる物を歴史的にかんたんにまとめてみましょう。

長い歴史を持つ中国ですが、実は明朝末までは現在の台湾本島は領外とされ、王朝の支配が正式には及んではいませんでした。台湾には数十の部族に分かれた「原住民」らや、大陸の王朝支配から逃れた漢人、更には日本や東南アジアの海賊たちが隠れ住む土地で、まさに暗黒の島。この時代から残されている「原住民料理」も素朴ですが広義の台湾料理に数えられます。

そしてオランダ東インド会社による数十年の支配を受けた後、明王族の末裔と鄭成功が台湾南部に逃れてきて台湾の漢族による統治が始まります。鄭成功一族による台湾統治は清王朝による攻撃もありこれまた数十年で終焉を迎えますが、これ以降清王朝は台湾の漢化を進め、ほとんど未開の地であった台湾へ移民政策を進めます。、福建省、そして広東省から公式に多くの漢人たちが台湾に移住し「福建料理」、そして「客家料理」を台湾にもたらすのです。

そうして300年ほど清朝の統治を受けるわけですが、この時に台湾の風土に合わせて新たに生まれた料理も数多くあります。そして1895年から50年間日本による統治を受けます。近代化が進み新たな食材と日本風の味付けがもたらされ、多くの新しい料理が開発されます。現在われわれ日本人に「台湾料理」としてなじみがある料理は、この日本統治時代に開発されたものが少なくありません。

そして1950年代、国民党政府の遷台に伴って、中国大陸全土から多くの優秀な料理人たちが台湾に渡ってきます。よほどマイナーな地域の料理でない限りは、中国各地の料理のほとんどが台湾で食べられるといっても過言ではありません。中国全土から集まった一流の料理人たちは、時に伝統を守り、時にお互い交流しながら、特に台北地方で各地の料理の腕を磨きました。今では四川、広東、湖南、北京、江蘇、上海、山東、陕西、浙江、香港、雲南など(安徽以外の…)あらゆる地域の本格的な中華料理が、手軽に食べられます。

そしてナイトマーケットで売られる多くのファストフードと、街角で買えるドリンクなど、これらを全て含めて「台湾料理」と呼ぶのです。解説書や人によっては福建料理の一部であるとしますが、似て非なるものと考えた方がいいでしょう。台湾料理はそれほど独特で、多様で、複雑なのです。

中国語が読めるという方は、台湾史の教科書を一度読んでみることをお勧めします。日本史や中国史ほど長くなく、近代以降は日本との関連も強いので非常に面白く読めます。

本日は客家の粄條(米粉で作ったきし麵)と開陽(干しエビ)を炒めた料理、日本で作るなら幅広の麺や餃子の皮を切って使いましょう。客家料理らしくオイスターソースと醤油がきいた濃い目の味付けです。サラダやスープとあわせてお楽しみください。


八寶菜飯│中華八宝野菜ご飯

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日はちょっと珍しい家庭料理の一つ『八寶菜飯│中華八宝野菜ご飯』を紹介します。チンゲンサイとトウモロコシで香りをつけて炊いたご飯に、キノコやサトイモなどをいためた具を配して食べるおいしくてヘルシーな素食料理です。

以前『八宝菜』で紹介しましたが、料理名にある八宝は八種類の意味ではなく、「いろいろ」の意味。いろんな具材を使って調理することから名付けられています。今回はキノコ、サトイモ、豆腐、トウモロコシ、チンゲンサイなどで調理していますが、作り手の好みでダイズ、ニンジン、オクラなどを配してもよいでしょう。

レシピはベジタリアン向けの素食料理となっていますが、ひき肉や海鮮類などをあわせて普通の料理として作っても美味しいです。

紅蘿蔔青江菜│ニンジンとチンゲンサイの炒め物

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
本日は久しぶり「中餐丙級證照」シリーズから『紅蘿蔔青江菜│ニンジンとチンゲンサイの炒め物』
というお手軽料理を紹介します。

チンゲンサイは漢字で「青梗菜」、中国語で「青江菜」と書きます。おそらく日本でもっとも普及している中国野菜といえるでしょう。家庭菜園やプランター、それどころか路傍の土などでも作れる非常に栽培が簡単な野菜の一つで、日本では1979年の日中国交正常化以降に本格的に導入され本格的な栽培が始まりました。今ではハウス栽培で一年中食べることができます。

チンゲンサイはハクサイの亜種で、もともとの白菜は紀元前4000年ほど前の中国の遺跡からも種が出土しているほど長い栽培の歴史を持つ野菜です。縁起のよい植物ともされ、古くから中国絵画や彫刻のモチーフとしても使われました。台湾故宮博物館にある「翡翠の白菜」は連日多くの観覧客が長蛇の列を作ります。レプリカのオブジェは故宮博物館のお土産としても人気です。

今回紹介するレシピは「非常に」シンプルで一瞬で作れてしまいます。その分アレンジがしやすく、湯葉や筍を混ぜたレシピは台湾の家庭料理として食べられます。ぜひ覚えて色々なアレンジ料理を作ってください。


醋溜馬鈴薯櫻花蝦│ジャガイモと桜海老の酸味炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『醋溜馬鈴薯櫻花蝦│ジャガイモと桜海老の酸味炒め』という台湾の家庭料理を紹介します。

日本でもおなじみ「サクラエビ」は台湾でも漢字の意味そのまま「櫻花蝦」と呼ばれます。海の香りたっぷりの濃厚な旨みが特徴で、チャーハンなどに多用されます。

食用にされるようになった歴史は意外と新しく、本格的に漁が始まり食べられるようになったのは20世紀に入ってから。日本の駿河湾以外の地域では、台湾の屏東地区などで小規模な漁が行われているのみで、世界的にみても日本と台湾以外ではほとんど食べられない珍しい食材です。

台湾の乾物屋ではかなり品質のいい干し桜海老が手に入りますので、お土産に買って帰るのもいいかもしれませんね。

炒めることによって香りを益すサクラエビはご飯や麺、そしてジャガイモなどの炭水化物類との相性が抜群。粉末にして汁物に加えればとても優秀な隠し味としても使えます。手に入ることがあれば色々な料理に活用してみてください。

日本(だけ)で再現できる台湾料理という、このブログのテーマを王道でいく料理の一つです(笑)。

蛤蜊蒸什錦菇│ハマグリと色々キノコの蒸し物

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難易度:☆ 調理時間:3時間
本日は『蒸什錦菇│ハマグリと色々キノコの蒸し物』という西洋風の中華料理を紹介します。西洋風とは言え味と香りはしっかり中華料理で、白ご飯と良く合う料理です。

料理名にもある「什錦」とは「いろいろ」の意味で、今回の料理では様々な種類のキノコを使って調理します。レシピに書いてあるもの以外にも、手に入る限りの様々な種類のキノコを使って調理しましょう。

ここで日本と台湾で一般的に手に入るキノコの中国語名をまとめておきます。

シイタケ│香菇
ブナシメジ│鴻禧菇(中国では蟹味菇ともいいます)
ナメコ│滑子菇
ヒラタケ│袖珍菇
マイタケ│舞茸
マツタケ│松茸
エノキタケ│金針菇
エリンギ│杏鮑菇
マッシュルーム│洋菇
キクラゲ│木耳
キヌガサタケ│竹笙
ヤマブシタケ│猴頭菇

たぶん…あってるはず。もちろんキノコ類の名前は他にもたくさんありますが、台湾では市場にはほとんど出回らないので覚えておく必要はないでしょう。霊芝のような薬用キノコの名前はみんな知っていたりするんですけどね。

というわけで、スーパーでキノコを見かけたら手当たり次第に買い込んで、賑やかな料理にしてください。余ったキノコはだし汁で煮込んで汁料理にしたり、グラタンに入れたりすればいろんな料理を楽しめます。

 ハマグリはキノコ類との相性がよいので、いろんな料理であわせてみましょう。

豆瓣魚│蒸し魚の豆板醤ソースかけ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内

本日は『豆瓣魚│蒸し魚の豆板醤ソースかけ』という料理を紹介します。豆板醤で味付けした豆腐とひき肉をソースに使った魚料理で、非常に中華らしい濃厚な味付けを楽しめます。

中華の偉大な調味料、日本でもおなじみの豆板醤は繁体字で「豆瓣醬」と書き、台湾でもさまざまな料理に使われる、台所に欠かせない調味料の一つです。日本と同じく台湾でも「豆瓣醬」といえば、通常は辛味のある「辣豆瓣醬」のことを指します。

豆板醤は四川省で200年以上前に開発された調味料で、原料は発芽させたソラマメ。高級品は五年以上も熟成させて作り、熟成初めは鮮やかな赤いトウガラシの色が年を経るごとに黒っぽくなります。(本当かどうかは知りませんが)最高級品とされる五年ものの豆板醤は毎年で1トンほどしか生産されておらず、四川省の生産元で卸価格で購入したとしても 500g で2千円ほどするそうです。数年以上熟成させた豆板醤は日本ではほとんど流通しないので、普通の人はなかなか味わう機会がないかもしれません。台湾でも時々二、三年物の豆板醤が高級品として売っていますが、それでも普通の豆板醤とは味も香りも段違いです。日本にお土産として持って帰ってもいいかもしれませんね。

今回紹介する料理は蒸した白身魚に豆板醤で作ったソースを絡めて食べる物。麻婆豆腐のような見た目ですが、花椒を使わないのと、魚肉に絡めて食べるのが違います。

日本でも簡単に再現できるので、ぜひ一度お試しください。


栗子香菇雞│栗とシイタケと鶏肉の煮物

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
世界中で古代から食用にされてきた栗。全世界で20種ほどあるブナ科クリ属の植物の実を総称してクリ類といい、日本とその他の地域の栗は種が異なります。

日本に自生し縄文時代から食べられている「クリ」は、学名を Castanea crenata といい、中国にある「シナグリ Castanea mollissima」よりも大型で、渋皮が剥きにくいという特徴があります。実は台湾でも日本統治時代に持ち込まれたクリが栽培されており、時々市場でも見かけますが皮が剥き難いため輸入品のシナグリほど人気はない様です。手で簡単に渋皮を剥くことができる「シナグリ」は、日本でも甘栗などとして人気です。近年渋皮が剥けるタイプの「クリ」の品種が開発されたそうなので、日本原産の「クリ」も今後見直されることでしょう。マロングラッセに使われるヨーロッパグリや、絶滅寸前のアメリカグリなど世界各地で果実を食用にします。

学名を見てピンと来た方はご名答。楽器カスタネットも学名も、そのもの「栗」を意味するギリシャ語の kastaneia が語源になっています。英語の chestnut も、中世英語の chasteine が由来で、同じ単語が語源です。

食料として非常に長い歴史のある栗は、当ブログでも時々登場する《本草綱目》にも記載があります。栗に関する記述は長いので引用はしませんが、無毒で補腎、益気など効果があり、子供の鼻血を止めたり、渋皮を煮込んで傷口の化膿止めに使ったりもしたようです。

クリの一種であるアメリカグリは近代に入り、「クリ胴枯病」という病気によってほとんど絶滅に近い状況にまで追い込まれてしまいました。1920年ごろから30年代にかけて、十数年をかけて北米にあった40億本ものクリの木がほぼ全て枯死してしまったのです。日本のクリと中国のシナグリはこの病気に耐性を持っているため問題がないのですが、世界三大樹木病害に数えられるほど深刻な被害を受けたそうです。話を聞くだけで悲しくなってしまいます。

この病気に対抗するための研究は植物学界でも主要なトピックの一つで、世界中(そして特にアメリカ)で多くの研究者が研究を進めています。いずれ克服され、最高の品質とされたアメリカグリが安心して食べられる世の中になって欲しいものですね。

今回のレシピは日本のクリでも作れますが、調理を簡単にするため既に調理済みの甘栗(シナグリ)を使って調理します。これからの季節にはうってつけの、ほっこり温まる料理です。



雪裡紅炒肉末│雪菜と肉そぼろ炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
 
本日はちょっと珍しい野菜を使った『雪裡紅炒肉末│雪菜と肉そぼろ炒め』という料理のレシピを紹介します。

料理名にある雪裡紅は中国北部で産出するアブラナ科アブラナ属の野菜の一つで、別名を雪里蕻、台湾では雪菜などと書きます。日本にもアブラナ科アブラナ属に雪菜という同名の植物があり、同じく野菜として使うので少々紛らわしいのですが正確には別種の植物です。

雪裡紅はユキノシタのように、雪の中で芽を出す非常に生命力の強い植物で、中国北方では春の訪れを告げる縁起のよい食材として重宝されます。漢字名にもそれが現れていますね。

日本で再現する場合は東北地方に生える同名別種の雪菜を使って調理するか、ホウレンソウやチンゲンサイなどの食感の似た野菜で代用しましょう。

台湾で売られている雪菜は生ではなく塩もみして水分を抜いたもので、炒めると鮮やかな緑色が映えます。別種の野菜を使っても、とても美味しくヘルシーに作れます。雪菜以外の野菜を使ってもそれぞれ特徴のある料理ができて、どれもご飯との相性が抜群です。ぜひお試しください。




豆瓣醬煮鯊魚│サメ肉の豆板醤煮込み

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本日は『豆瓣醬煮鯊魚│サメ肉の豆板醤煮込み』というちょっと珍しい料理を紹介します。名前の通りサメ肉を使った中華料理です。

サメは日本の「因幡の白ウサギ」の神話に登場するほど、古代からその獰猛さを恐れられていた動物です。恐ろしいイメージのある動物である一方、一部地域では神に捧げる生贄としてその肉が珍重され食されてきました。今までサメ肉はかまぼこに加工されることが多かったようですが、その肉質は高蛋白、低脂肪、低カロリーで、骨は全て軟骨、子供でも骨を気にせず食べられ、大人の健康に良さそうです。近年は食肉としての地位を見直されています。

「サメ軟骨」 の名で健康食品としても利用されるサメは近年需要が高まり、特定の種は絶滅の危機にすら瀕している動物の一種です。しかしそのイメージの悪さから余り保護は進んでいないようです。人に危害を加えるサメはホオジロザメなどのごく一部なのですが…、いろんな映画のせいでどうも恐ろしいイメージが固まってしまったようです。悲劇の動物と呼ばれる日が来ないことを祈りましょう。

需要が高まっている一番の原因はなんと言っても中華料理のフカヒレ。あまりに珍重しすぎて中国では偽物が横行し、中国全土で食べられるフカヒレの9割がゼラチンで作った偽物だったというニュースも報道されたことがありました。台湾でも冷凍食品に入っているフカヒレはほとんど全て偽物ですが、こちらはきちんと表記されているのでご心配なく。本物が食べたいなら結婚式やホテルのレストランで形が残っているものを食べましょう。

ちなみに日本の一部地域でも食べられるエイは、サメ類から派生した近縁の動物です。大雑把にいえばエラが体の下にあるのがエイ、体の横にあるのがサメと分類します。筆者の故郷ではフカヒレと似た食感のエイヒレをみりんに浸けて干し、炙ってお酒のつまみにしたり、お茶漬けの具にしたりして食べていました。台湾ではエイを食べる習慣はないそうですが、お土産に買っていくと喜ばれるかもしれません。エイは中国語で「魟魚」などといいます。

おっと、忘れてはいけませんでした。サメは海中での食物連鎖の頂点に君臨するため、水銀などの重金属を体内に高濃度で蓄積する性質があります。乾燥品のフカヒレなどは重量あたりの有機水銀濃度が非常に高く、アメリカでは妊婦や乳幼児は食べるのを避けるように指導されています。すぐに問題が出る量がはいっているわけではありませんが、それでも妊婦さんは旅行時にフカヒレを口にしないことをお勧めします。料理で出てきたら…涙を飲んで他人に譲りましょう…。

サメ肉は中華料理ではわりと一般的な食材です。日本語では「鮫」、中国語では「鯊」。この辺の違いも調べてみると面白いのですが、キリがないので今回はこの辺にしておきましょう(笑)。

それではレシピいってみましょう。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

桂竹筍炒肉絲│ケイチクと千切り肉炒め

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本日は『桂竹筍炒肉絲│ケイチクと千切り肉炒め』という客家料理のレシピを紹介します。古くから食べられている台湾家庭料理の一つです。

ケイチク(桂竹)とは福建省に生えるタケの一種で、マダケに似ますが直径は7-8センチとそれほど太くはならず、若い桿が白い粉を帯びるのが特徴です。材質は強靭でしなやか、苗栗の地域では客家の人々が加工して竹細工にも用いられます。

この植物を命名したのは植物学をすこしでもかじったことのある人なら誰もが名前を知っている「牧野富太郎」博士、そして命名者は「早田文蔵」博士という二台巨頭。牧野が1896年の台湾採取旅行で発見し標本を作製していた者を、後に早田が発表したものです。早田も台湾総督府の命を受けて台湾に植物調査に訪れており、そのときに発見された植物も数多くあります。正式な学名をPhyllostachys makinoi Hayata といい属名に牧野、発見者名に早田の名前が並んでいます。
このケイチクのように牧野と早田両名によって発見された植物は30種類ほどあります。

ケイチクは古くは台湾に特有の植物だと考えられていましたが、近年福建省でも発見され福建・台湾両省にまたがる植生を持つことが分かりました。福建省では昔から食材として食べられていたようですが、植物学的な発見が遅れていたようです。

苗栗地区で古くから竹細工を作っていた客家の人々は、このケイチクを使った料理を多数開発しました。現在でも客家料理ではとても良く使う食材の一つです。残念ながら日本で手に入れることはできません。大きさ以外は普通のタケノコと食感が似ているので、日本では普通のタケノコで代用してください。



難易度:


調理時間:
30分以内

烘蛋│台湾卵焼き

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本日は『烘蛋│台湾卵焼き』のという家庭料理のレシピを紹介します。台湾風オムレツといえば『蚵仔煎』ですが、こちらのほうがどちらかというとオムレツに近い料理です。レシピではタマネギを使っていますが、各自で好みの野菜を閉じ込めて食べてください。

卵を使ったオムレツのような料理は世界中にあります。卵ご飯ができるほど新鮮な生卵を食べることができる国は日本ぐらいで、ほかの国は全て加熱して調理するのが普通です。この時どんな調味料と混ぜ合わせ、どんな具を使うかでその国の料理の特徴が出ます。

中華料理ではやっぱりニンニクと豆板醤を少量使うのが特徴でしょう。またフライパンなどで平たく作るのも中華風の特徴です。

ちなみにレシピの豚肉とカニ肉に替えて、ケチャップベースと中華スープベースのあんかけをかければ『かに玉』 が作れます。好みでこちらにも挑戦してみてください。


難易度:


調理時間:
一瞬

熱炒蟹腳│台湾風カニ脚炒め

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本日は『熱炒蟹腳│台湾風カニ脚炒め』という熱炒店メニューのレシピを紹介します。日本でもカニが美味しい季節になりました。台湾のカニはほとんどが中国からの輸入品ですが、割りと美味しいものが手ごろな値段で食べられます。

本日は台湾熱炒店で食べられるニンニクとショウガを効かせて炒めるカニ脚を炒めた料理を紹介します。カニを丸ごと一匹ではなく脚だけで作るのがミソです。流通の過程で外れてしまったカニ脚は格安で手に入ることがあるので、そういうのを利用して作りましょう。もちろん冷凍のものを使っても作れます。

日本でカニといえばいわゆる「カニ」類はもちろん、脚の数が異なる「ヤドカリ」類の一部、例えばタラバガニやヤシガニも含みます。これは中国語でも同じで、中国語で「蟹」または「螃蟹」と書けば、日本語と同じように通常のカニ以外にもヤドカリ類の生物も含みます。面白いのは中国語ではヤドカリ類の一部の生物には「蝦」の字を使うことです。それぞれの名前を持つ生物の写真を見てみましたが、どうやら中国語では「蟹」と「蝦」を体の長さで分けている様子。体が横に長いのが「蟹」、縦に長いものには「蝦」の字を当てているようです。

動物の分類は専門ではないため余り詳しいことはかけないのですが、これに「ザリガニ(淡水龍蝦)」や「シャコ(蝦蛄)」などが混ざってくるため事はより複雑です。まとめようと思いましたがやめました(笑)。日本語と中国語の「カニ」と「エビ」の違いは言語学のレポートなどで面白いテーマになりそうです。

それではビールのお供にも最適のカニ脚料理のレシピいって見ましょう。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

三杯中卷│ヤリイカの三杯ソース

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本日は熱炒店でおなじみ『三杯中卷│ヤリイカの三杯ソース』のレシピを紹介します。このブログでもおなじみの「三杯シリーズ」を、海鮮類とあわせて作ってみましょう。

基本的には今まで紹介した三杯類と同じ料理はそれぞれソースの作り方が微妙に違います。ここでまとめておきますので、おさらいしてみましょう。

 『三杯雞│鶏肉の三杯ソース炒め』、『三杯炒麵│三杯焼きそば』、『三杯炒飯│三杯チャーハン』、『三杯醬、三杯雞│三杯ソース、三杯鶏』 です。

 「中巻」とはヤリイカの亜成体の名称で、成体である「透抽」よりも小ぶりで柔らかい身が特徴です。台湾におけるイカの名称についてもこの記事を参照におさらいしておきましょう。「中巻」のほかにも、「小巻」、「透抽」それぞれで「三杯小巻」、「三杯透抽」を作れるので、同じレシピでも三つの別の名前の料理が作れてしまいます。ヤリイカが手に入ったらぜひ挑戦してみてください。



難易度:


調理時間:
30分以内

香爆南瓜│中華カボチャ炒め

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本日は『香爆南瓜│中華カボチャ炒め』という家庭料理のレシピ紹介します。

カボチャはウリ科カボチャ属の植物の果実を総称したもので、一種の植物を指すわけではありません。漢字表記の「南瓜」 は中国語をそのまま輸入したものなのですが、中国語でただ「南瓜」と書けば「中国南瓜 Cucurbita moschata」というカボチャの中の一種を指すので注意です。台湾では「金瓜」の表記の方が一般的かもしれません。

緑黄色野菜の中でも特に豊富なビタミンAを含むことで知られ、収穫した後一ヶ月ほどかけて澱粉が糖化し、より甘みを増します。台湾では種を炒めてお菓子として食べることもあります。

古来より薬用に使われていた野菜の一つで、おなじみ本草綱目にも記載があるので抜き出して見ましょう。

南瓜 
《綱目》
《集解》
時珍曰:南瓜種出南番、轉入閩、浙、今燕京諸處亦有之矣。三月下種、宜沙沃地。四月生苗、引蔓甚繁、一蔓可延十餘丈、節節有根、近地即著。 其莖中空。其葉狀如蜀葵而大如荷葉。八、九月開黃花、如西瓜花。結瓜正圓、大如西瓜、皮上有棱如甜瓜。一本可結數十顆、其色或綠或黃或紅。經霜收置暖處、可留至春。其子如冬瓜子。其肉濃色黃、不可生食、惟去皮瓤瀹食、味如山藥。同豬肉煮食更良、亦可蜜煎。按:王禎《農書》云:浙中一種陰瓜、宜陰地種之。秋熟色黃如金、皮膚稍濃、可藏至春、食之如新。疑此即南瓜也。
《氣味》
甘、溫、無毒。
時珍曰:多食發腳氣、黃膽。不可同羊肉食、令人氣壅。
《主治》
補中益氣(時珍)。

南蛮より福建省や浙江省に伝わったものであることがわかり、補中益気の効果があるとされています。豚肉との相性がいいようですが、羊肉と一緒に食べると「気が詰まる」ともかかれてあります。この時代(明朝時代)は既に食材としてある程度研究されていたようです。

というわけで本日はカボチャを使った簡単料理です。ぜひお試しください。


難易度:


調理時間:


醬爆茄子│茄子と赤身の醤油炒め

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本日は『醬爆茄子│茄子と赤身の醤油炒め』という中国家庭料理のレシピを紹介します。

この料理で使うナスはナス科ナス属の植物の果実で、学名をSolanum melongen L. といいます。ジャガイモやトマトとは属まで同じです。品種によっては紫色のトマトのように見えるほど似ています。

茄子の「茄」の字は台湾や中国で時々地名にも登場しますが、ほとんどは当て字です。中国においても茄子はもともと外来の植物なので、伝来した当時の音に漢字を当てただけなのでしょう。

90パーセント以上が水分と炭水化物で、その他の野菜と比べて栄養学的にはぱっとしないのですが、近年ナスニンという特有の成分に抗がん作用が見つかり注目されています。

ちなみにHigeneは子供の頃から茄子が大嫌いでまったく食べることができませんでしたが、中国で食べた『魚香茄子』という料理がきっかけで好物になってしまいました。何にも考えずに他人の注文した料理を一口食べたところ、「おお、うまいね、これ。何の料理?なす?茄子?マジで?!二十年ぶりくらいに食べた!…うまい!」 と、食わず嫌いが治ってしまったのです。あのときの衝撃は今でも覚えています…。

とにかく、茄子の美味しい季節になりました。このブログでも茄子を使った料理を多数紹介していますので、右上の検索ボックスに「ナス」と入れて検索してみてください。それではレシピいってみましょう。


難易度:


調理時間:
30分以内

台湾の文化・民俗

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このページでは今まで甘口男で紹介した台湾の文化・民俗に関する記事をまとめています。



宗教

艋舺龍山寺
 +龍山寺のおみくじ解説(観世音霊籤百首)

子薑牛肉絲│牛肉の生姜焼き

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本日のレシピは『子薑牛肉絲│牛肉の生姜焼き』、細切りにした牛肉とショウガの食感が楽しい家庭料理です。

中華料理ではほぼ必須の香辛料であるといっても良いショウガは、ショウガ科ショウガ属ショウガという植物が起源で学名を Zingiber officinale といいます。熱帯アジア原産で紀元前300年頃にはインドで栽培が行われていました。薬学を学ぶ人には食材としてよりも生薬としての方がなじみがあるかもしれません。

FAOのデータベースで2011年と2006年の全世界のショウガ生産量上位10カ国のデータを抜き出してみましたので、比べてみましょう。


2006年 生産量(t) 2011年 生産量(t)
インド 391200 インド 702000
中国 290000 中国 388886
インドネシア 177138 ネパール 216289
ネパール 154197 ナイジェリア 160000
ナイジェリア 134000 タイ 152630
タイ 106710 インドネシア 94743
バングラディッシュ 57000 バングラディッシュ 74380
日本 38100 日本 54200
台湾 29824 カメルーン 40531
フィリピン 27261 台湾 36617

一位二位はインド、中国で変わらずが、インドでは生産量が倍近くまで増えています。また全体としてアジアの国での生産量が多いことが分かりますが、近年はアフリカの国での生産も増えていることがわかります。インドネシアの生産量が半減しているのにも注目です。インドネシアなどは農地を遊ばせている余裕はないはずなので、代わりの商品作物を見つけたのでしょう。

ヨーロッパなどの消費地での需要を満たすために新しい流通経路が構築されているのかもしれません。世界全体の生産量も1,471,542t(2006年)から2,025,571t(2011年)と大幅に増えており、世界的にも需要が増えていることがわかります。なかなか興味深いデータですね。

ショウガは生薬としてもよく使われます。おなじみの本草綱目からショウガに関する部分を抜き出してみましょう。

乾薑
味辛、溫。主胸滿咳逆上氣、溫中止血、出汗、逐風濕痺、腸、下利。生者、尤良。
久服、去臭氣、通神明。生川谷。
《名醫》曰:生楗為及荊、揚州。九月採。
案:《說文》云:薑、御濕之菜也。《廣雅》云:、,廉薑也。《呂氏春秋・本味篇》
和之美者、陽朴之薑。高誘
注:陽朴、地名、在蜀郡。司馬相如《上林賦》、有茈薑雲


体を暖め、血を止め汗を出すなどの効果があり、生なら更に良いとされています。現代日本の漢方薬では生姜(ショウキョウ)と呼ばれる生薬のことです。紛らわしいことに食べ物の生姜(ショウガ)と生薬の生姜(ショウキョウ)は同じ漢字でも乾燥させているかどうかの違いがあります。生のショウガに含まれる辛味成分ジンゲロールは乾燥させると脱水反応を起こし、ショウガオールと呼ばれる辛味のより強い成分に変わるのです。薬学を学んだことのある人は生薬学の授業で教えられると思いますが、はたして覚えているでしょうか(笑)。

更にややこしいのは、日本の漢方で使う「生姜(ショウキョウ)」は中国や台湾では「乾姜(カンキョウ)」と呼ばれ、同じ植物を別の方法で処理したものを指すのです。日本で乾姜とよばれるものは、台湾や中国では「煨薑」や「炮薑」と呼ばれます。(薑は姜の古字。)

よく使う「黄耆(オウギ)」も台湾では別の生薬を指すことが多い(→過去記事参照)ので、日本の漢方薬の処方箋を台湾に持ち込んでそのまま作ってもらうと、まったく別の薬が出来上がるなんてこともしばしば…。まぁ、知っていればいいだけなのですが、この辺が海外で漢方薬を扱う難しさですね。

まぁ…、難しい話はこのくらいしておきましょう。世界的に需要が高まっているショウガは、これから健康管理や料理以外でも、様々な分野で活用されていくことでしょう。

それではレシピ行きます!


難易度:


調理時間:
下準備+30分以内

蔥燒排骨│ネギカルビ煮込み

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本日はゴロリとした肉塊がお弁当などにぴったりの『蔥燒排骨│ネギカルビ煮込み』のレシピを紹介します。

醤油やケチャップなどで濃い目に味付けされたスープで煮込まれた旨味たっぷりのカルビは、白ご飯との相性がぴったり。冷えても美味しいのでお弁当にもぴったりです。今回のレシピでカルビを煮込むスープを「葱焼(蔥燒)ソース」と呼び、カルビ以外にも鶏肉、牛肉、魚、羊肉など様々な肉類を煮込むのに使えます。

下処理した肉を調味料で煮詰めるだけで作れるので「今日はガッツリしたものが食べたい!」という方は、挑戦してみてください。



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

蒼蠅頭│四川風肉そぼろ

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本日は『蒼蠅頭│四川風肉そぼろ』という珍しい名前の四川料理を紹介します。そのまま「ハエの頭」という日本ではありえないようなグロテスクな名前の料理ですが、ご飯にすごく合う定番四川料理の一つです。

ハエ科…の説明は止めておきましょう。

おそらくその見た目から名付けられたのでしょうが、日本で作るときは「四川風肉そぼろ」などと読んでおくのが無難です。名前はともかく非常に美味しいのでぜひおためしください。熱々を作って箸でちびちびつまみながら飲む熱燗も最高です。

しかしいくら似ているとはいえ、ほかに名前がなかったものでしょうかね。




難易度:


調理時間:
30分以内

蘋果炒雞肉│リンゴと鶏肉炒め

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本日はリンゴを使った珍しい炒め料理である『蘋果炒雞肉│リンゴと鶏肉炒め』を紹介します。

林檎は学名を Malus domestica Borkh といいバラ科リンゴ属の植物を指し、正式な和名を「セイヨウリンゴ」と呼びます。青森県藤崎町に一時期住んでいた筆者には非常になじみのある果物です。

日本どころか世界中でおなじみの「ふじ」は世界で、もっとも多く栽培されるリンゴの品種だそうです。中華圏では「富士」、その他の地域では「Fuji」の名でそのまま通じるほど普及しています。

リンゴには大別して「有袋栽培」と「無袋栽培」の二種類の栽培方法があります。有袋栽培は果実を袋で覆って日光を避けて栽培する方法で、色の浅い果実ができますが、糖度も栄養価も高いものが収穫できます。無袋栽培は品種名に「サン(太陽のSun)」を冠し、鮮やかな色の果実が特徴です。サン富士やサン津軽などが有名ですね。

リンゴ以外のリンゴ属植物は大体実を食べることができるのですが、なかなか結実しないものが多いので食べたことがある人は稀でしょう。筆者も一度中国でヒメリンゴの実を食べたことがあるだけです。他のリンゴ属植物は日本にもいくつか生えているのですが、天然記念物だったり国立公園の一部にだけ生えていたりで、探すだけでも一苦労です。またリンゴの台木はほとんどが、リンゴ属の別の植物を使っています。リンゴは接木や挿木で増やすので、種からは増やせません。

医者要らずの別名を持つリンゴは各地域の神話にも登場するほど歴史の古い果物で、紀元前6000年には既に栽培されていたという説があるほど。16世紀にヨーロッパで大規模栽培が始まってからは世界中で食べられるようになりました。医薬品が乏しい時代には薬として使われたこともあり、中国明の時代に李時珍の書いた名著「本草綱目」にも林檎は記載されています。

手元の本草綱目から林檎に関する部分を抜き出して見ましょう。

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林檎

志曰:生北土、似楂子而小。
頌曰:今關陝有之、沙苑出者更佳。其實大抵類楂、但膚慢而多毛、味尤甘。其氣芬馥、置衣笥中亦香。
藏器曰:樹如林檎、花白綠色。
宗奭曰:食之須淨去浮毛、不爾損人肺。花白色、亦香。最多生蟲、少有不蛀者。
時珍曰:蓋 楂之類生於北土者、故其形狀功用皆相仿佛。李 《南海藥錄》言:關中謂林檎為 。按:《述征記》云:林檎佳美。 微大而狀丑有毛、其味香、關輔乃有、江南甚希。觀此則林檎、蓋相似而二物也。李氏誤矣。


《氣味》
酸、甘、微溫。無毒。
士良曰:發毒熱、秘大小腸、聚胸中痰、壅澀血脈、不宜多食。
瑞曰:同車螯食、發疝氣。

《主治》
溫中、下氣消食、除心間酸水、去臭、辟衣魚(《開寶》)。
去胸膈積食,止渴除煩。將臥時、啖一、兩枚、生、熟皆宜(蘇頌。宗奭曰:臥時啖此太多、亦痞塞胃脘也)。
主水瀉腸虛煩熱、散酒氣、並宜生食(李)。
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どうやら古代中国では食中毒、便秘、痰きり、喉の渇き、胃もたれなどを治したりするほかにも、箪笥に入れて服に臭いを移したり、お酒を飲んだ後に使ったりしていたようです。また中国の北方で既に大規模に栽培が行われていたことも分かります。

水溶性の食物繊維であるペクチンやリンゴのポリフェノールが健康にいいことは近年明らかになりましたが、古代の人も経験からこれらのことを知っていたのですね。

というわけで、本日はリンゴと鶏肉をあわせた絶品料理のレシピです。ぜひ一度挑戦してみてください。



難易度:


調理時間:
30分以内

秋葵番茄炒雞丁│オクラとトマトと鶏肉炒め

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本日は『秋葵番茄炒雞丁│オクラとトマトと鶏肉炒め』を紹介します。

今日の料理に使うオクラは中国語で「秋葵」といい、漢字で分かるようにアオイ科の植物。古くはネリと呼ばれていました。紀元前には既にエジプトで栽培されていた記録が残っているほど古い野菜で、「オクラ│Okra」の呼び名は実は英語をそのまま読んだものです。

身を切ったときに出るペクチンやガラクタンを含む粘り気のある液体は、コレステロールを下げる効能があり、成人病予防にも効果があるといわれています。

日本では茹でて食べることが多いですが、台湾ではチャーハンの具にしたり他の野菜に炒めたりと、輪切りにしてから炒めて食べることが多いようです。特に粘り気がご飯や卵に絡んで一部が焦げ、非常に香ばしい香りがするチャーハンはおすすめです。

本日はそんなオクラを輪切りにしてからトマトと鶏肉と炒めて料理を作ります。オクラのとろみとトマトの酸味が鶏肉に絡んで非常においしい料理です。ぜひお試しください。



難易度:


調理時間:
30分以内

 
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