沙茶醬、沙嗲醬│台湾サテソース

沙茶醬、沙嗲醬│サテソース

本日は『 沙茶醬、沙嗲醬│サテソース』の紹介です。日本で暮らす人にはなじみが薄いかもしれませんが、中華圏南部、特に広東省や台湾では日本で言う醤油並みに浸透している調味料で、台湾でもさまざまな料理に使われます。普通の火鍋店で使われるタレといえばまずこれで、他にも炒麺や炒飯の味付けなどに使われます。

元はインドネシアはジャワ島で発祥の焼き鳥(料理名がサテ)に使われていたのソースが由来で、その後大陸に渡り広東省の潮汕という地域で改良が加えられ、沙嗲醬と漢字が当てられて非常に流行しました。今では中華圏全土、台湾を含む南部地域でなくてはならない調味料になっています。沙嗲は広東語でサテ、沙茶は台湾語でサテーと発音し、どちらの漢字もサテの当て字です。ただし台湾では沙茶を中国語読みでサチャと発音しても通じます。醬はソースの意味です。

インドネシアやマレーシアのサテソースはピーナッツを使った甘いソースのことを指しますが、台湾ではエビや干したシタヒラメ(ウシノシタ)を使って塩辛く仕上げます。同名の調味料でも地域やメーカーによって味が違うので、サテソースを使った同じ料理でもまったく味が異なることもしばしばです。

日本で一般にサテソースと言ったときは、東南アジア系のピーナッツベースの甘辛いソースを指します。台湾のサテソースとは味が異なるので注意しましょう。

本格的に作ろうとすると数十種類もの材料を混ぜて作らなければならないため、普通の台湾人が家庭で少量を作ることは多くありません。おいしい沙茶醬を自作しては近所に売っていたりする人も時々居るようですが、普通の人はスーパーで売られている「牛頭牌沙茶醬」という著名な缶入りのものを使用しています。

台湾では沙茶醬といえば牛頭牌、牛頭牌といえば沙茶醬というくらいの有名な商品で、さまざまなレシピでも牛頭牌沙茶醬を使うと指定されているほどです。

この牛頭牌沙茶醬が日本のAmazonでも売っていればリンクを紹介しようと思ったのですが、売っていないようです、残念。以下のリンクは別の沙茶醬(台湾味)のリンクです。作るのが面倒くさい方は以下のリンクから購入するか、台湾旅行時にスーパーで探してみてください。

ユウキ食品 沙茶醤 100g
(Amazonリンク、画像なし)

台湾のサテソースでは干したシタビラメ(Point参照)を使っていますが、日本では手に入らないと思うので、鰹節で代用します。作るのに手間はかかりますが、日本料理にはないエスニックで風味豊かな味わいは、食卓に新たな彩を与えてくれることでしょう。

手間といっても、材料はすべて日本でも手に入るので、興味のある方はチャレンジしてください。非常に応用範囲が広く、おいしい調味料です。


 
難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

材料:
鰹節 ……… 100g
干しエビ ……… 50g
エシャロット ……… 50g
ニンニク ……… 50g
唐辛子粉 ……… 大さじ2
乾燥パセリ ……… 大さじ2
ピーナッツ ……… 大さじ2と1/2
五香粉 ……… 大さじ1と1/2
ローリエ ……… 5枚
サラダ油 ……… 500cc

作り方:
1.鰹節は軽く炒って香りを出したあと、フードミキサーで粉にする。干しエビ、ローリエもそれぞれフードミキサーで粉にしておく(混ぜ合わせないこと)。ピーナッツも砕いて粉にしておく。

2.ニンニク、エシャロットは皮を剥きフードミキサーでそれぞれペースト状にする(混ぜ合わせないこと)。 それぞれの容器にはクッキングシートを引き、水気を切っておく。

3.熱した鍋にサラダ油を入れ、180度でニンニク、エシャロットをそれぞれ色が変わるまで炒める。色が変わったらそれぞれ取り出しておく。

4.同じ油に作り方1の鰹節の粉を入れ、3分ほど炒める。更に作り方1の粉にした干しエビを加え再び3分ほど炒める。更に唐辛子粉、乾燥パセリ、作り方1のローリエ粉、ピーナッツ粉を加え加熱しながらよくかき混ぜる。

5.作り方3のニンニク、エシャロットを加えよく混ぜ合わせた後、火を止め材料が沈殿したら完成。
 

Point:
上澄みの油だけではなく、沈殿した材料の部分を油と混ぜて使います。沈殿した粉部分を料理と絡ませて食べます。

台湾では鰹節の代わりに干したシタビラメ(扁魚といいます)を使います。ここでは鰹節で代用していますが、鰹節の代わりに一夜干しした他の魚を使ってもいいと思います。

サラダ油の代わりに他の植物油、例えばコーン油やグレープシードオイルを使うとすこし風味が変わります。ブレンドしてもおいしくできるかと。

ソースに油が含まれているので、そのまま麺やご飯と絡めていためれば『沙茶炒麵』、『沙茶炒飯』という名前の料理になります。野菜を炒めてもおいしいですよ。

相性のいい食材は
 ・麺、ご飯などの炭水化物
 ・火鍋のソースとして
 ・加熱した野菜
 ・熱々のまま食べるもの
などです。

他にも醤油、生姜、白ゴマ、黒ゴマ、きな粉、各種漢方材料などを加えたレシピがあります。

分布している地域毎に少しずつ味が異なります。それぞれベースとなる材料は
 ・台湾:エビと干しシタビラメなど
 ・福建:ピーナッツとニンニクなど
 ・広東:ピーナッツペーストとゴマペースト、豆板醤、各種漢方材料など
 ・東南アジア:ピーナッツとココナッツミルク、生姜、醤油など
 です。特に台湾のものは他の地域のものと味が大きく異なります。

この料理以外で一般的に使われる「扁魚」とはヒラメやカレイなど目が片側によっている魚の総称として使われます。シタビラメはヒラメの仲間ではないのですが、目が片側によっているので扁魚の仲間とされます。日本でもごく一部では干しシタビラメを売っていますが、大体が味醂や醤油で下味が付けられています。火を通す時に焦げるかもしれないので調理時間にご注意を。

この調味料を使った料理のレシピは台湾の年明けにでも紹介したいと思います。




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